First impressions are lasting impressions?2
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大鬼族を引き連れて村に戻った後は
予定通り宴会が開かれていた。
味覚を手に入れたリムルは思う存分ゴブイチの焼く牛鹿の肉に満足すると
カイジン達と話し込む大鬼族の若頭へ声を掛ける。
「肉はもういいのか?リムル殿」
そう言った若頭は先程の鬼気迫る様子とは打って変わって、優しそうな笑みを湛えていた。
きっとこれが本来の彼なのだろう。
「ちょっと食休み。
お前の妹すごいな。薬草や香草に詳しくて、
あっという間にゴブリナ達と仲良くなった。」
リムルはゴブリナ達に囲まれる大鬼族の姫巫女を見ながら感心したように言う。
自慢の妹なのか姫巫女を褒めると彼の表情は一層柔らかくなった。
「…箱入りだったからな。頼られるのが嬉しいんだろう。
ところで、そちらの姫様は見当たらないようだが。」
あたりを見渡して若頭が尋ねてくる。
姫様と呼ばれそうなのは1人しかいない。
そういえば気絶する名前を目撃して合流したあと、
向こうの姫巫女に対抗してうちの姫様的な扱いをした気がするからそのせいだろう。
「あー、今のところは俺達の問題だから気にしないでくれ。少し刺激が強かったようだ。今は休ませてある。」
(今回お前達の襲撃で1番の被害だ)
とリムルは内心頭を抱える。
名前は最近やっと村のゴブリンたちとも仲良くなり
今日に至っては自分から外に行きたいと言って来たところなのだ。
今日の出来事はトラウマになり兼ねない。
「……申し訳ない。」
そんなリムルの感情を読み取ったのか、申し訳なさそうな顔をして呟く。
謝ってほしいわけではないし、こればっかりはどうしょうもない。
「いいよいいよ。大したことじゃない。
あとそれは直接あいつに言ってやってくれ。
それよりもお前らこれからどうするの?」
本人がいないところで話しても何も解決しないのだ。
今は彼らと今後の話をすることにしよう。
✲
気が付くと村の自室の布団の中だった。
「ん…どうしたんだっけ……。」
少しずつクリアになる先程の記憶に息が苦しくなる。
外の様子を見に行こうと立ち上がると机の上に紙が置かれているのが目についた。
書かれているのは日本語で、それたけで誰が書いたか特定できる。
【全員無事だ。問題はないから少し休んでろ。リムル】
リムルからの置き手紙にそっと胸を撫で下ろす。
意識を手放す前にリムルの姿を見たのだけは鮮明に覚えている。
それだけで皆が無事だという事を信じられるのだ。
お陰で安心して休むことが出来る。
少し頭痛がする。何も考えたくない。
皆が無事ならそれで十分だ。
そう考えると名前は再び意識を手放した。
✲
大鬼族の名付けをした翌日
低位活動状態から戻ったリムルは鬼人へと進化した彼らと顔を合わせたあとベニマルを呼び止めた。
「ベニマル。ちょっといいか?」
「なんでしょうかリムル様。」
呼び止められた言葉にベニマルは振り返ると
少し深刻そうな顔をしたリムルの顔が見えた
リムルは一拍置いてベニマルと目を合わせる。
彼らが配下になると思った時から考えていたことだった。
今回の事の埋め合わせをしろという意味も勿論あるが、
どうなるかという好奇心も否定はできない。
「お前に名前の護衛を任せたい。」
何を言われたか分からない、という顔を見せるベニマルをリムルは見つめ返す。
ベニマルはすぐに頭を振ると意味を理解したのか
少し焦った声でリムルへ応えた。
「……ですが、どうも名前様には避けられているようで、我々鬼人の前にはあまり姿を見せていただけておりません。
俺が適任とは思えませんが。」
リムルにとってこの答えが返ってくるのは予想通りだった。
至極まっとうな意見だと思う。
あの日の翌日、彼女はゴブリン達には変わらぬ態度で接しているが
常に周りを警戒して鬼人たちと顔を合わせないようにしている節があるのはリムルも気付いていた。
「かもしれないな。
でも俺は名前もお前達も甘やかすつもりはないんだ。
これは名前が、超えなきゃいけない壁だ。
だけどお前達にも原因はある。
恐らく1番顔を合わせたくないのはお前だろうから。
お前に護衛を任せたいんだ。」
そう告げるとベニマルは少し困ったような、なんとも言えない表情を浮かべる。
宛ら自分を慕ってくれない部下を持つのような不安だろうか。
なんてリムルは少し昔を思い出して更に声を掛けた。
「そんなに思い詰めなくても大丈夫だ。
意外と単純だからきっかけがあげれば仲良くなれるよ。
今は怖いから臆病になっているだけで、手を引いてそこから引っ張り出してやったら名前はきっと自分で歩ける。
俺はあいつを最後まで見守るって決めたんだ。
でも俺がおんぶに抱っこで何からも守ってやるわけじゃない。
この世界を楽しんで欲しいんだよ。ここで躓いてる場合じゃない。
だから、よろしく頼むよ。お前に任せたいんだ。」
それでもあいつが意固地になるならその時は手を貸してやるからさ。
そう言ってリムルは笑顔をベニマルに向ける。
ベニマルは少し思案する素振りを見せたが、
覚悟したかの様に頷いた。
「………分かりました。」
願わくばこの決断を後悔しないことを…。
First impressions are lasting impressions?
そうと決まれば早速挨拶だな!
ま、待ってください!
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お待たせしてすみません。
最後のやりとりがどうも納得いかず
書いては消し、書いては消しでした(;・∀・)
またちょこちょこ修正入れるかもしれません。
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