First impressions are lasting impressions?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日はリグル達警備隊の皆の仕事に同行させて貰っている。
村からあまり出ないのも良くないと
思い切って進言してみたのだ。
何か気になる事もあるようだけど
リムルは少し考えた後「まぁ大丈夫か!」と言って同行を許してくれたのだった。
「名前様大丈夫ですか?もし疲れたら遠慮なく言ってくださいね。」
「ありがとうリグル。大丈夫だよ。」
リグルの気遣いの言葉に思わず嵐牙狼の背中を撫でる。
頑張っているのは私ではなくこの子達である。
最近は、嵐牙狼達の背中に乗るのも幾分上手くなったと思う。
練習にもいつもこの子が付き合ってくれて最早私の相棒のようだ。
今度リムルに名前をつけていいか相談してみてもいいかもしれない。
「今日はリムル様に最高の牛鹿を召し上がっていただく予定なので、もし獲物を見つけましたら名前様は下がっていてくださいね。」
リグルは眩しいくらいの笑顔をこちらへ向けると
心無しか周りの皆も何時もより気合が入っているようだ。
「リムルは愛されてるねぇ。」
特に他意は無く、しみじみと言ってみたつもりだったのだが
何を勘違いしたのか「もちろん名前様もですよ!」と食い気味に訂正された。
有り難いのやら恥ずかしいやらで苦笑するしか無かったのだけれども。
そんな他愛もない会話をしながら森を進んでいくと何かに気付いたのかリグルが険しい顔をして警備隊へ声を掛けた。
「止まれ!何だこの妖気は…?」
その刹那先頭を走っていたゴブリンライダー達が爆音と共に宙に舞う。
突然の事に何の反応も出来ず、
私は只々その様子を眺める事しかできなかった。
「名前様!お逃げくださ……」
叫んだのは誰だっただろうか、その声にハッと意識が戻る。
だが、次の瞬間周りにいた警備隊達もがバタバタと倒れていく。
それは自分が乗っていた嵐牙狼も例外ではなく、
その場に倒れ込むように気を失った。
最後まで私を守ろうとしてくれたのか大きな衝撃は無かった。
「…なにが……おこってるの?」
ゴブタとランガが私の盾になる様に前に出てこの事態の原因がいるであろう前方を警戒する。
《名前様、恐らく催眠術の類です。お気を付けください。》
未だに慣れない脳内に響くランガの声に気が引き締まる。
気を付けろと言われても何に気を付けていればいいか分からない。
そんな状態だったからか何故自分が眠らなかったのかまでは考えが及ばなかった。
状況が飲み込めない私を囲むようにリグル、ランガ、ゴブタが辺りを警戒していると「来る。」とリグルが呟いた。
数人の足音と共に人影が浮かび上がる。
「姫の術でも眠らないか。それならば直々に相手をするまでだ。獲物がやってくるまでな。」
森の奥から声が聞こえたかと思うと
頭に角が生えた数人の集団が姿を現したのだった。
何が合図だったのか。
ランガと向こうの集団のうちの2人が同時に飛び出し、戦闘を始める。
「やだ、なんで……こんな……」
見つめる事しかできない自分に嫌気が指す。
だからといって自分から向かって行っても状況を悪くするだけなのも理解している。
「名前様。こっちはリムル様が到着するまで持ちこたえるっす。だから自分が飛び出したらすぐに後ろに向かって走るっす。」
「ご、ゴブタ……」
迷う素振りを見せるとゴブタはニカッと笑って親指を立てた。
リグルの方を見ると大丈夫と言わんばかりに頷いた。
きっと私がいたら足手まといになるのだろう。
何もできないのならいない方が彼らも動きやすいのかもしれない。
それに途中でリムルに会えれば案外もできる。
ここから自分だけ逃げ出したくないという気持ちを無理矢理理屈で押し込めた。
「分かった。」
「じゃぁ、いくっすよ!!」
ゴブタとリグルが地を蹴ったと同時に後ろを振り向き走り出す。
いや、走り出したつもりだった。
「爺。」
そう後ろで聞こえたかと思ったら、
首筋への衝撃と共に私は意識を手放した。
こちらに向かってくるリムルの姿に安堵しながら。
First impressions are lasting impressions?
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
白老なら手刀で気絶させられそう。
主人公気を失ったのでここで分けます。
次は宴の席あたりから再開予定。
1/1ページ