一進一退攻防戦
「みっくす、みっくす…」
「だからぁ、今日はできひんって何回も言うたやろぉ?」
俺の服を着たありさかは真っ赤な顔をして、今にも泣き出しそうな声でソファに座っている俺の裾を引いた。リビングで気を紛らわせようとスマホを見ていた俺は、困り果ててその手を握った。
「だって、なんで、…ひっ、ぐ…み、くす、」
普段泣いているとこなんて見たことがないのに、ありさかはヒートになると情緒が壊れたように脆くなる。ありさかの特異体質というわけではなく、オメガは大抵そうなのだが、いつも落ち着いている分ありさかの泣き顔は結構クるものがある。
「分かってくれって…な、?」
「ひ、ひっ…巣…できてるのに…なんでぇ……来てよぉ、」
ありさかにはぴったりくらいのパーカーからのぞいた太腿から、目を引く愛液が滴っている。弱い力で誘ってくるありさかを、力のままに蹂躙してやりたいとは思うが。頭を振って、ありさかの手を再度握り直す。見つめた瞳からはほろほろと柔らかい涙が落ちていた。
「薬飲んだのに、シたら気持ち悪くなっちゃうやろ」
「だてあれ効いてない、し」
ありさかは根っからのオメガだ。オメガは細くて色白で女性らしいなんて言うが、あんな通説はなんの根拠もないデマだ。ありさかはガタイも身長もある大男で、明らかに雄っぽくて強そう。そして実際強いのだ。しかしそれはオメガとして。病院で処方された抑制剤が効かないくらいには。だから今もこうして抑えきれないヒートに苦しんでいるのだが、既に薬を飲んだ状態で事に及ぶと、大抵のオメガは体調不良を引き起こす。医者からも『飲んだら大人しく寝るように』と念を押されるくらいだ。オメガのヒートを抑える薬というのは、それだけ体に強く作用するものなのだ。
対して俺はαだが、薬を飲めばオメガのヒートの影響をそれほど強く受けることはない。そして先日からありさかにヒートの予兆があったのを見越して、もう今日は薬を飲んでしまったのだ。オメガほどではないにせよ、アルファの抑制剤もそこそこ強力で、飲むと暫く頭が痛いしダルいしちんこも勃たない。第2の性というのは不便だ。
「明日しんどくなるのはありさかなんやし、な?」
「でも……でも、」
宥めすかしてもありさかは眉根を寄せて縦には頷かない。眠ってしまえば楽なのだろうが、生憎ありさかは先程10時間を超える睡眠から目覚めたばかりだ。ヒートの熱さで目が覚めて、寝起き1発目であのクソ苦薬を飲んだと思うときっと気分は最悪だったんだろう。
「今も辛いよな、ごめんなぁ…俺といると余計辛いか?寝室もどる?」
「ん、ここ、ここにいる…」
薬が効いた俺からはフェロモンは出ていないはずだが、ありさかは違う。薬を飲んでなお微かに香るそれに俺が当てられないわけではないが、当てられたところで勃たないので問題ないだろう。
俺に半分寄りかかるように座って、ありさかは時折鼻をすすっている。彼の今の半端な苦しみは見るに耐え難く、本当はこんなことさせたくない、手っ取り早く楽にしてあげたいと、そう思うのだが…。
ヒート中にヤると止まれないのだ。
俺が。
多分3日は。
お互いの体力を考えて3日連戦となるとまあ恐らくどちらかはお陀仏することになる。そして俺がヒートの中毎回ゴムをつけ直せるのかという点も怪しい。子が欲しくないわけではないが、俺とありさかの未来だ、その辺は勢いではなく話し合って考えて決めたい。
「ふ、…っ、ふ…」
見ると、ありさかは苦しそうに息を吐きながら自分で穴を弄っていた。苦しすぎて俺の目も気にならないようで、それどころか俺の匂いをオカズにしていた。時折鎖骨辺りに柔らかい感触が触れては離れていく。
それでも依然物足りないようでありさかの顔は切なそうに歪んでいる。
「俺がシたげよか?」
「あ、あ…し、てぇ…」
また泣き出しそうな顔で言うので、可哀想でそっと抱き寄せる。ありさかは力が入らないのか俺に寄りかかってくったりとしている。後孔に指を伸ばすと柔らかく濡れていて、怠いはずの体に欲が走る。
「…う、うぅ~…」
入口を撫でてから優しく指を入れると、物足りなさそうな声があがる。
「んん、ん…ん…っふ、」
腰をゆらゆらさせて擦り寄ってくるありさかは弱弱しくて愛らしい。
「や、あぁ、足りな…あっ、」
手前の方で抜き差しを繰り返すと、指を追うように体が前後した。俺の俺が機能停止していてよかった。薬を飲んでいなければ恐らく臨戦態勢どころか暴発寸前だっただろう。
「あっ、…みくす、…っ♡みっくすぅ♡」
「…なんよ」
「あぅ…欲しい、ほし…みっくすの、ちんぽほしぃ…♡」
「…は、」
こいつ、もう、頭も回っていないのか。エロい顔でエロい言葉を吐いてなお俺の一物はぐうすか寝ている。しかしその発現は俺の頭がおかしくなる。普段シていたってそんなこと、トんだ時にしか言わないくせに。
「奥、ずりずりって、されたいぃ…♡」
「…ッあんなぁ、そんなん言うても俺勃たんのやから意味ないって」
「みっくす、おねがい、」
「っはぁ、」
そんな切なそうな顔で、一体俺のことをどうしようと言うんだこのクソガキ。発散できない欲が体内に渦巻いて、ああもう腸が煮えそうだ。
「は、ねぇ、みっくすもしたいやろぉ♡」
「し…たいけど、できんし、」
いつの間にか俺はありさかから逃げるようにソファに片手をついていた。対してこいつは調子に乗って俺の首に手を回し出す始末だ。さっきまで俺に寄りかかって泣いてたくせに…。
「俺の中でしこしこって、したいんやろ?♡」
「ぐ…」
もうダメだこいつ、ドすけべ淫魔や、いやオメガなんだけど。ヒートの熱で脳みそバグったらしく爆弾発言ぶちかましてくる。俺が薬飲んで手ぇ出せんからってまじで調子こいてる。
「いっぱいぱんぱんってしたいやんなぁ♡思いっきり、中に、出、っおわ」
ソファに転がされたお前のその「ヤバ、」みたい目ぇ、かわええなぁ。
「はは、反撃されやんと思った?俺が立たんから」
「えっあ、ちょ、」
がっつり股の間に座られて、ヒートのせいで力も入らない。しまった、これは完全に"狩られる側"だ。べろんとバーカーを捲られて腰を掴まれる。
「シたくたって俺は勃たんもん、こうされたらキツいのはお前やろ」
「へぁっ、あっ♡」
既にみっくすに解されてとろとろのそこに、みっくすの腰が服を隔ててごりごりと突き立てられる。入ってないのにやってるみたいな感覚に軽く達した。
「あはは、びくんてなった」
笑ってるが目が据わっている。イった衝撃に震えている俺を他所に、何度も布越しに腰を打ち付けられる。
「ひっ、♡あ、やだっ♡あっ、あ♡おッ♡」
「腹の筋肉びくびくしてんなー想像して気持ちい?」
腰が浮きそうになっているのを無理やり抑えつけて笑うみっくすは、「シたいのはお前の方やろ」と言わんばかりだ。対して俺は中途半端に与えられる快楽とヒートと薬のせいでとうに頭は回っていない。ソファに座った辺りから既に曖昧で、この指先が痺れるような快楽に身を任せることしかできない。
「あは、すっご、俺のズボンまでぐちょぐちょや」
「あっ、あっぇ…♡」
解放されて息を整えていると穴の辺りに温い息を感じた。
「え、どこ、なにして、」
言い終わる前に太ももを抑え込まれ熱いものがぬるりと侵入してきた。
「あっああッ♡あ゙、ぉ゙…っ、ッ♡♡、!?♡ぉ゙♡」
勢いよく吸われてもう何がなんだか分からない。イったことだけは確かだ。汚いからやめてとも、離してとも言えなかった。出たのは聞くに耐えない喘ぎ声だけ。
「ひ、あ、ぁあ~…、♡、♡」
満足したように顔をあげるみっくすの姿すら捉えきれない。腰砕けになりそうな快感を終わりにしたくて、体を捻ってソファの縁にしがみつく。
「見やすいようにおしり向けちゃってさぁ、もっかい ぱんぱんして欲しかったん?」
「や、♡ぁ、ちがっ」
死ぬほど上機嫌なみっくすは楽しそうな声で俺の腰に手を回した。背中に密着するような形で、息がかかってぞくぞくする。左腕の力ががくんと抜けてしまった。
「違うん?こっちが良かった?」
こっち、と言いつつみっくすが触ってきたのは半分ほったらかしで宙ぶらりんになっていたそれ。
「あっ♡あ…♡」
もうこれから来るであろう快感を想像しただけで肩がびくびく跳ねて仕方ない。
「そーよなあ、ありさか男の子やもんなー。こっちの方がえーよな♡」
「ッ~お゙っ♡」
ごり♡と亀頭を抉られてまた声が漏れる。しかしそれに構う余裕などない。みっくすに左手で玉を転がしながら扱かれて、もう俺の腰は情けないほどがくがく震えていた。
「あ゙っあ゙、♡あっやらあ゙っ、ぉ゙ッ、お゙♡あ♡いぐっ♡いくっ、いくいぐっ♡」
「ええもうイきそーなん?ありさかはなっさけないなぁ?」
「あ、♡らってむり、やからぁ゙、あ゙っ♡ぐりぐりっ♡せんでぇ…♡」
「なんで?きもちーやろぉ?」
「ひっ、♡むりだめイグっ、♡いくいくいく、い゙……ッ、♡♡、♡」
ぼたぼたっと液体が零れた音がして、みっくすが何かを言っているのが聞こえたが、それを理解するまもなく俺の意識は落ちていった。
翌朝みっくすはすこぶる上機嫌であったが、次またあんな振る舞いをしたら玩具でもなんでも入れて泣かせちまうぞと脅してきた。薬と半端な行為の影響で全身が痛く、かつ昨日の記憶を手放せもしない俺は、身動きさえ取れればベランダの塀から身を投げていたかもしれない。しかしそれは叶わないため、「まー人生って恥の積み重ねやからさ、なっ♡あーりーさか〜♡」などと囃してくるこいつに、治ったら一発入れねば気が済まない。
「だからぁ、今日はできひんって何回も言うたやろぉ?」
俺の服を着たありさかは真っ赤な顔をして、今にも泣き出しそうな声でソファに座っている俺の裾を引いた。リビングで気を紛らわせようとスマホを見ていた俺は、困り果ててその手を握った。
「だって、なんで、…ひっ、ぐ…み、くす、」
普段泣いているとこなんて見たことがないのに、ありさかはヒートになると情緒が壊れたように脆くなる。ありさかの特異体質というわけではなく、オメガは大抵そうなのだが、いつも落ち着いている分ありさかの泣き顔は結構クるものがある。
「分かってくれって…な、?」
「ひ、ひっ…巣…できてるのに…なんでぇ……来てよぉ、」
ありさかにはぴったりくらいのパーカーからのぞいた太腿から、目を引く愛液が滴っている。弱い力で誘ってくるありさかを、力のままに蹂躙してやりたいとは思うが。頭を振って、ありさかの手を再度握り直す。見つめた瞳からはほろほろと柔らかい涙が落ちていた。
「薬飲んだのに、シたら気持ち悪くなっちゃうやろ」
「だてあれ効いてない、し」
ありさかは根っからのオメガだ。オメガは細くて色白で女性らしいなんて言うが、あんな通説はなんの根拠もないデマだ。ありさかはガタイも身長もある大男で、明らかに雄っぽくて強そう。そして実際強いのだ。しかしそれはオメガとして。病院で処方された抑制剤が効かないくらいには。だから今もこうして抑えきれないヒートに苦しんでいるのだが、既に薬を飲んだ状態で事に及ぶと、大抵のオメガは体調不良を引き起こす。医者からも『飲んだら大人しく寝るように』と念を押されるくらいだ。オメガのヒートを抑える薬というのは、それだけ体に強く作用するものなのだ。
対して俺はαだが、薬を飲めばオメガのヒートの影響をそれほど強く受けることはない。そして先日からありさかにヒートの予兆があったのを見越して、もう今日は薬を飲んでしまったのだ。オメガほどではないにせよ、アルファの抑制剤もそこそこ強力で、飲むと暫く頭が痛いしダルいしちんこも勃たない。第2の性というのは不便だ。
「明日しんどくなるのはありさかなんやし、な?」
「でも……でも、」
宥めすかしてもありさかは眉根を寄せて縦には頷かない。眠ってしまえば楽なのだろうが、生憎ありさかは先程10時間を超える睡眠から目覚めたばかりだ。ヒートの熱さで目が覚めて、寝起き1発目であのクソ苦薬を飲んだと思うときっと気分は最悪だったんだろう。
「今も辛いよな、ごめんなぁ…俺といると余計辛いか?寝室もどる?」
「ん、ここ、ここにいる…」
薬が効いた俺からはフェロモンは出ていないはずだが、ありさかは違う。薬を飲んでなお微かに香るそれに俺が当てられないわけではないが、当てられたところで勃たないので問題ないだろう。
俺に半分寄りかかるように座って、ありさかは時折鼻をすすっている。彼の今の半端な苦しみは見るに耐え難く、本当はこんなことさせたくない、手っ取り早く楽にしてあげたいと、そう思うのだが…。
ヒート中にヤると止まれないのだ。
俺が。
多分3日は。
お互いの体力を考えて3日連戦となるとまあ恐らくどちらかはお陀仏することになる。そして俺がヒートの中毎回ゴムをつけ直せるのかという点も怪しい。子が欲しくないわけではないが、俺とありさかの未来だ、その辺は勢いではなく話し合って考えて決めたい。
「ふ、…っ、ふ…」
見ると、ありさかは苦しそうに息を吐きながら自分で穴を弄っていた。苦しすぎて俺の目も気にならないようで、それどころか俺の匂いをオカズにしていた。時折鎖骨辺りに柔らかい感触が触れては離れていく。
それでも依然物足りないようでありさかの顔は切なそうに歪んでいる。
「俺がシたげよか?」
「あ、あ…し、てぇ…」
また泣き出しそうな顔で言うので、可哀想でそっと抱き寄せる。ありさかは力が入らないのか俺に寄りかかってくったりとしている。後孔に指を伸ばすと柔らかく濡れていて、怠いはずの体に欲が走る。
「…う、うぅ~…」
入口を撫でてから優しく指を入れると、物足りなさそうな声があがる。
「んん、ん…ん…っふ、」
腰をゆらゆらさせて擦り寄ってくるありさかは弱弱しくて愛らしい。
「や、あぁ、足りな…あっ、」
手前の方で抜き差しを繰り返すと、指を追うように体が前後した。俺の俺が機能停止していてよかった。薬を飲んでいなければ恐らく臨戦態勢どころか暴発寸前だっただろう。
「あっ、…みくす、…っ♡みっくすぅ♡」
「…なんよ」
「あぅ…欲しい、ほし…みっくすの、ちんぽほしぃ…♡」
「…は、」
こいつ、もう、頭も回っていないのか。エロい顔でエロい言葉を吐いてなお俺の一物はぐうすか寝ている。しかしその発現は俺の頭がおかしくなる。普段シていたってそんなこと、トんだ時にしか言わないくせに。
「奥、ずりずりって、されたいぃ…♡」
「…ッあんなぁ、そんなん言うても俺勃たんのやから意味ないって」
「みっくす、おねがい、」
「っはぁ、」
そんな切なそうな顔で、一体俺のことをどうしようと言うんだこのクソガキ。発散できない欲が体内に渦巻いて、ああもう腸が煮えそうだ。
「は、ねぇ、みっくすもしたいやろぉ♡」
「し…たいけど、できんし、」
いつの間にか俺はありさかから逃げるようにソファに片手をついていた。対してこいつは調子に乗って俺の首に手を回し出す始末だ。さっきまで俺に寄りかかって泣いてたくせに…。
「俺の中でしこしこって、したいんやろ?♡」
「ぐ…」
もうダメだこいつ、ドすけべ淫魔や、いやオメガなんだけど。ヒートの熱で脳みそバグったらしく爆弾発言ぶちかましてくる。俺が薬飲んで手ぇ出せんからってまじで調子こいてる。
「いっぱいぱんぱんってしたいやんなぁ♡思いっきり、中に、出、っおわ」
ソファに転がされたお前のその「ヤバ、」みたい目ぇ、かわええなぁ。
「はは、反撃されやんと思った?俺が立たんから」
「えっあ、ちょ、」
がっつり股の間に座られて、ヒートのせいで力も入らない。しまった、これは完全に"狩られる側"だ。べろんとバーカーを捲られて腰を掴まれる。
「シたくたって俺は勃たんもん、こうされたらキツいのはお前やろ」
「へぁっ、あっ♡」
既にみっくすに解されてとろとろのそこに、みっくすの腰が服を隔ててごりごりと突き立てられる。入ってないのにやってるみたいな感覚に軽く達した。
「あはは、びくんてなった」
笑ってるが目が据わっている。イった衝撃に震えている俺を他所に、何度も布越しに腰を打ち付けられる。
「ひっ、♡あ、やだっ♡あっ、あ♡おッ♡」
「腹の筋肉びくびくしてんなー想像して気持ちい?」
腰が浮きそうになっているのを無理やり抑えつけて笑うみっくすは、「シたいのはお前の方やろ」と言わんばかりだ。対して俺は中途半端に与えられる快楽とヒートと薬のせいでとうに頭は回っていない。ソファに座った辺りから既に曖昧で、この指先が痺れるような快楽に身を任せることしかできない。
「あは、すっご、俺のズボンまでぐちょぐちょや」
「あっ、あっぇ…♡」
解放されて息を整えていると穴の辺りに温い息を感じた。
「え、どこ、なにして、」
言い終わる前に太ももを抑え込まれ熱いものがぬるりと侵入してきた。
「あっああッ♡あ゙、ぉ゙…っ、ッ♡♡、!?♡ぉ゙♡」
勢いよく吸われてもう何がなんだか分からない。イったことだけは確かだ。汚いからやめてとも、離してとも言えなかった。出たのは聞くに耐えない喘ぎ声だけ。
「ひ、あ、ぁあ~…、♡、♡」
満足したように顔をあげるみっくすの姿すら捉えきれない。腰砕けになりそうな快感を終わりにしたくて、体を捻ってソファの縁にしがみつく。
「見やすいようにおしり向けちゃってさぁ、もっかい ぱんぱんして欲しかったん?」
「や、♡ぁ、ちがっ」
死ぬほど上機嫌なみっくすは楽しそうな声で俺の腰に手を回した。背中に密着するような形で、息がかかってぞくぞくする。左腕の力ががくんと抜けてしまった。
「違うん?こっちが良かった?」
こっち、と言いつつみっくすが触ってきたのは半分ほったらかしで宙ぶらりんになっていたそれ。
「あっ♡あ…♡」
もうこれから来るであろう快感を想像しただけで肩がびくびく跳ねて仕方ない。
「そーよなあ、ありさか男の子やもんなー。こっちの方がえーよな♡」
「ッ~お゙っ♡」
ごり♡と亀頭を抉られてまた声が漏れる。しかしそれに構う余裕などない。みっくすに左手で玉を転がしながら扱かれて、もう俺の腰は情けないほどがくがく震えていた。
「あ゙っあ゙、♡あっやらあ゙っ、ぉ゙ッ、お゙♡あ♡いぐっ♡いくっ、いくいぐっ♡」
「ええもうイきそーなん?ありさかはなっさけないなぁ?」
「あ、♡らってむり、やからぁ゙、あ゙っ♡ぐりぐりっ♡せんでぇ…♡」
「なんで?きもちーやろぉ?」
「ひっ、♡むりだめイグっ、♡いくいくいく、い゙……ッ、♡♡、♡」
ぼたぼたっと液体が零れた音がして、みっくすが何かを言っているのが聞こえたが、それを理解するまもなく俺の意識は落ちていった。
翌朝みっくすはすこぶる上機嫌であったが、次またあんな振る舞いをしたら玩具でもなんでも入れて泣かせちまうぞと脅してきた。薬と半端な行為の影響で全身が痛く、かつ昨日の記憶を手放せもしない俺は、身動きさえ取れればベランダの塀から身を投げていたかもしれない。しかしそれは叶わないため、「まー人生って恥の積み重ねやからさ、なっ♡あーりーさか〜♡」などと囃してくるこいつに、治ったら一発入れねば気が済まない。
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