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朝の話


…眩しい。
寝室の窓、カーテンが少しズレていて、
その隙間から差し込む朝日が何故か綺麗に俺の目を直射していた。
ズ、と鼻をすする。
2月寒い。
寝ている時は気にならなかったのに、
布団から飛び出た鼻先から上が寒くて
俺を起こした太陽を恨んだ。

寒い。眠い。
とにかく日光から目を背けようと寝返りを打つと、
俺より幾分か大きな背中があった。これだ。
大きめのベッドに空いた、
俺とありさんの隙間をいそいそと詰める。
布団に潜って、黒い寝巻きに頬を押し付けると、


v「…ぁったけ…」


こりゃもうひと眠り楽しめますな、なんて、
その温かさを堪能していたのに。


a「ん゙…」


俺がもぞもぞやってたのが気になったのか、
ありさんは起きてるんだか起きてないんだか
分かんないような声を上げた。

…あ、待ってその動き、その身のよじり方は、ねぇ


v「ありさん?ありさん俺いるからねありさふわあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」


ごろん。
小柄な俺が寝返りを打つのとは訳が違う。
でかい背中が迫ってきてぺしゃんこにされる。


v「おも…、早く退いてぇ…!」


a「しつれーな」


俺をぐしゃぐしゃにしながら寝返りを成功させたありさんが、
眠そうな目で悪戯っぽく笑う。うわ、その顔、…いややめた。


a「ウチ、重ないもんっ」


v「筋肉詰め込んだ体が重くないわけなごえんらしゃい」


ぬっと手が伸びてきて頬を鷲掴みにされる。
ほらやっぱ可愛くないわ。


a「ウチは重ないし〜かわいーから〜もうちょっと寝よかな」


v「どーぞ」


a「あればに起きる?」


v「うん潰されて目覚めたわ」


あと喋ってたら、と付け加えると、
ありさんはふーんと考える素振りを見せて


a「なら俺も起きよっかな」


と言った。


v「オレら早起きやねぇ」


a「ね。作んのめんどいから寒い中コンビニ行かね?」


v「わざわざ寒い中って言わんでよ」


良いけどさ、と笑いながら体を起こすと、
ありさんもニヤニヤしながら起き上がった。
大きいポケットが着いてるアウターを着ていこう。
朝早いから人もいつもよりは少ないだろうし、
カイロでも入れいけばもしかしたら、
手を繋ぐ口実にくらいはなるかもしれない。

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