【光太】優しい嘘
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「ごめんな。」
謝るぐらいなら嘘なんかつかなきゃいいのに、光子郎は困ったように眉を下げ、へらりと笑う太一を見つめる。そんな光子郎の視線を真っ直ぐ受け止めきれず、太一は目を逸らした。胸の内でずしりと何かがのしかかって気持ちが悪い。これが罪悪感というのだと知ったのはつい最近だった。
「また……1人で何もかも抱え込むつもりですか?」
あの日の記憶が何故か頭の中を掠り、同じ言葉を発した。それに太一は気づいているのだろうか、「そうだ。……悪いか?」とまた同じ言葉で返してきた。悔しそうに顔を顰める光子郎の頭をくしゃくしゃと優しく撫でながら、太一はまた、ごめんな、と謝罪の言葉をこぼした。
その手が離れていく。
光子郎はその温もりと心地良さが名残惜しくて目で追ってしまった。
「じゃ、またな。」
そう言ってひらひらと手を振れば、太一はその場を離れていった。俯いた光子郎には、苦しそうに胸を掴み、罪悪感の質量に耐えようと必死に酸素を取り入れる太一の姿は見えなかった。
「なんで……なんで僕にも戦わせてくれないんだ…っ!!」
彼の嘘は優しい。
優しくて、仲間を守ろうと必死で、嘘をつきながらその身を犠牲にする。
太一の優しすぎる嘘が、光子郎の胸の内にもずしりとのしかかってきた。光子郎もまた、太一と同じように胸を押さえ、その重みに耐えるように息を吸うのであった。
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