【:ヤマ太(♀)】小話
「はっ、ぁう、……やぁと、ぁ、……んんッ、!」
ずるっ、とゆっくり引き抜かれた欲棒が、再び中を押し広げるように進んでいく。こつんこつんと子宮口を突かれる度に、太一は面白いほど身体をのけぞらせて跳ねた。酸素を求めるようにはくはくと動く唇が艶めいて、中から見える赤い舌が誘う。
「……はぁ……たいち、」
ちゅ、ちゅ、と鎖骨と喉にキスを降らせ、ヤマトは太一の唇を指でなぞった。
「……ぁ、やぁ、……と……?」
涙で潤んだ瞳がヤマトをしっかりとらえる。身体はもういっぱいいっぱいだろうに、それでも応えようとする彼女の健気さが可愛らしくて仕方ない。
「キス、してもいいか……?」
ヤマトの問いに、太一はきゅっ、と唇を閉じたあと「……いいよ、きす、してぇ……」とヤマトにしがみついた。ヤマトは身体を密着させ肉棒をさらに胎内の奥へ奥へと押し入れながら、太一の唇に覆いかぶさった。ふにふにとした唇の感触を甘噛みで堪能しながら、本能で逃げてしまう舌を引きずり出す。乾いた喉を潤せと言わんばかりに唾液を流し込み、ぱちゅぱちゅと律動を早めて肌をぶつかりあわせる。
「んむ、ん、ンンぅー! ん、ぅ、……ふっ、んッ!」
くぐもった声が聞こえる。我慢できずに強く閉じられた瞼から涙がこぼれ落ちた。それを舌で掬いながら、太一の最奥を貫く。
「ンンぅ、ぷはっ……! あひッ!? あ、やぁと、へん、へんになりゅ、! くゆ、くゆよぉ……! ぁ、あ、きもちッ、きもちぃのくるッ! やだ、だめだめ、ぁ、ああッッ────!!」
ぐりゅ、と子宮口を押し広げると、太一は一層背を仰け反らして絶頂した。ぷしゃっ、と控えめに溢れた蜜がヤマトの腹を汚す。ヤマトもまた太一の中の締めつけに欲を吐き出していた。
「ぁ、あちゅ、なか……なかあちゅいの……あぅ……ぁ、あ、やぁとの、いっぱぃ、……」
規格外の質量に、太一の腹はぽっこりと膨らんでいた。最後の一滴まで吐き出すと、ヤマトはゆっくりと引き抜いた。途中、中の締めつけにゴムを持っていかれそうになったが、何とか引き抜く。後処理をしているヤマトを見て、太一はぎゅっ、とヤマトの服を抱きしめた。行為のあとはいつも人肌寂しいのか、離れるヤマトの代わりに服を握りしめてることが多い。ヤマトもそんな愛おしい太一の姿を見れるので好きにさせている。
「……やまとぉ〜」
「どうした?」
「……やまと、いっつもちゅーするときちゅーしてもいいか聞いてくるよね……」
「? あぁ、そうだな。」
キスをすると落ち着くと、前に太一は言っていた。未だに慣れない行為の最中、不安げに見つめてくることがあるから安心させようと、ヤマトは気付いた時にキスをする。
色んな気持ちを含めて視線を送ってみたが、ヤマトが気づく様子はない。太一はもじもじと身を捩りながら「なんでもない!」とヤマトの服で顔を隠してしまった。ヤマトはそれを不思議に思いつつ、タオルで体を拭ってやる。
ヤマトの服の下、太一の顔は真っ赤だった。見られるのがなんだか嫌で隠してしまった。
(キスする?って聞かれるの、ちょっと恥ずかしいって言ったら、言わなくなっちゃうかな……?)
恥ずかしいけれど、そんな律儀なところも好きで、このままでいて欲しいとも思う。
(……もうちょっとこのままでもいいかな)
まだ手放すには早いだろう。そんなことを思いながら、太一はくすくすと笑って目を閉じた。