「ん…………ふっ、ぁ、…………ふふっ、…へへー」

「……………太一…」

すり、と首筋、腹、太腿と流れるように撫でてやれば、ほんの少し頬を赤らめて太一は笑った。ヤマトはその笑みに困ったように眉を下げるとその名を呼ぶ。

「太一……お前触られるの好きだよな。」

「えぇ～？そうかぁ～？」

頬を優しく撫でてやればけたけたと笑いながらその少しだけ冷たいヤマトの手に擦り寄る。

「そういうお前はさぁ、」

その手に自身の手を添えながら太一はゆっくりと身を起こすと、胸をほんの少し前に突き出した。

「好きだよねぇ、俺のおっぱい。」

「…あぁ。」

「否定しないのかよ。」

太一は笑いながら自身の胸を撫でる。ヤマトは執拗に太一の胸や乳首を弄るものだから、今では太一曰くぷにぷにつやつやになってしまった。ヤマト自身にも太一の胸への執着は自覚があるため頷かざるを得ない。ぐっ、と何も言い返せずにヤマトが顔をしかめると、太一は得意げに笑う。

「なんていうかさ、うん、あれだな。」

太一はぽんぽん、と片手でヤマトの頭を撫でてやる。金色のヤマトの髪は意外にさらさらで、髪を梳いてやればぱさりと指から離れていく。

「いっぱい触ってもらってると、気持ちいいし、愛されてんだなーって思うし。………あぁ、幸せだなとか………思ってみたり………する。」

最後の方は少し声が小さく、途切れ途切れになってしまった。あぁやばい、頬が熱い。さっき触られていた時とはまた違う熱さに太一は誤魔化すように苦笑した。
ふと、太一がヤマトへ目を向ければ、ぽかんとした顔で固まっていた。その顔が何だかおかしくて「だっせー顔」と笑えば、途端に顔を真っ赤にして「うるせぇ、」と悪態つかれた。

「ほら、ヤマト。」

「……んだよ。」

「好きなんだろ？オレのおっぱい。」

そう言ってヤマトの顔の目の前に胸を差し出せば、ヤマトは一度喉を鳴らし飛びついた。その勢いに太一は微笑みながら目をつむる。胸元に顔を埋めるヤマトの髪を撫でながら意識を集中すれば、感じるのは優しめの快楽と恋人の体温。

「んぁ、……ん、ふっ、ぁ、ぁ、…………」

頭上から聞こえてくる甘い声に、ヤマトは緩む頬に力を入れた。時折その小さな突起に甘噛みすれば、一層高い声と共にヤマトの頭に添えられた手がくしゃりと髪を掴む。その仕草が愛おしい。わざとらしくちゅぱ、と音を立てながら口を離せば、それに合わせて太一も「んぁ…」と声を上げた。全身に欲が回っている。本能ともいえる熱が身体にまとわりついて、熱を逃がすようにはーっ、とヤマトは息を吐き出した。顔をあげれば太一と目が合う。太一はにかっ、と眩しすぎるほどに笑うとヤマトの首に両腕を回した。

「責任もって幸せにしてくれよ？ダーリン♡」

「もちろんだぜ、ハニー♡」

こんな掛け合いももう慣れたものだ。こうやってどんなときも冗談を言える仲に、もう自分達はなれたのだ。それを確かめ合うように顔を近づけて口付けを交わす。


あとはもう、想像通りでして。