青くまどろむ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――ヴァリアー本拠・執務室
片手にグラスを持ち、執務椅子に深く身を沈めながら目を閉じていたXANXUSは、
外から聞こえる喧しい声に、ゆっくりと瞼を上げた。
気怠げに窓を見ると――
庭でスクアーロと凛音が言い合っている姿が見えた。
⸻
(回想)
「私が、メイド……? したことないんですけど!」
「うるせえ。決定事項だ」
「ボス!?」
⸻
凛音はあの日からずっと、文句一つなくメイドの仕事をこなしている。
だが、命令した“堅苦しい言葉遣いをやめろ”だけは守らない。
(納得してねぇんだろうな)
そのことはXANXUSも十分理解していた。
だが――だからと言って。
「スクアーロ様の体力と比べないでください!」
「比べるまでもねえ! 体力なさすぎだぁ!」
「これでも一般隊員よりはあります!」
「はっ! 訓練のしがいがねぇんだぁ!」
庭から響くぎゃあぎゃあとした大声は、どうにも耳障りだった。
面倒は嫌いだが、騒音はもっと嫌いだった。
「……うるせぇ」
XANXUSは舌打ちし、あとでカス鮫(スクアーロ)にグラスを投げつけると心に決める。
手の中のグラスを一飲みし、低く息を吐いた。
そのとき――ふと脳裏に小さな声がよみがえる。
⸻
(回想)
『おにいちゃんのめ、あかくてきれいね』
⸻
幼かった凛音の、澄んだ瞳。
初めて会ったときだけは、あの子は意外と大人しかった。
(……ガキが)
珍しく、口元にうっすらと笑みが浮かぶ。
すぐに表情を引き締め、携帯を取り出した。
「……スクアーロ。来い」
短く告げ、通話を切る。
⸻
――その頃・書庫
スクアーロと別れた凛音は、静かな書庫にいた。
屋敷の中で唯一、誰にも邪魔されずに休める場所。
古い紙の香りを吸い込みながらページをめくっていると、不意にあの頃の記憶が蘇る。
⸻
(回想)
『おにいちゃんのめ、あかくてきれいね』
⸻
幼い自分は怖いもの知らずだった。
あの「赤い目のお兄ちゃん」に向かって真っ直ぐ言ったのだ。
(……本当に、我ながら大胆だったなぁ)
思わず頬が緩む。
その後も、何だかんだでXANXUSは相手をしてくれた。
ヴァリアーに入りたいと言ったときも、反対はされなかった。
無口で粗暴で、乱暴で……でも。
(あの人、面倒見いいんだよね)
本を抱えたまま、凛音はふっと笑いを漏らした。
⸻
――そして
まったく別の場所で考えているのに、
二人の思いは奇妙に呼応していた。
⸻
XANXUS
「……あいつも少しは可愛げがあればな」
凛音
「いつか優しくしてあげなくもない……かな」
⸻
気づくことのないまま、
互いにほぼ同じ言葉を胸に思い、同じようにため息をついた。
ヴァリアーの屋敷に、静かで柔らかな時間が一瞬だけ流れた。
片手にグラスを持ち、執務椅子に深く身を沈めながら目を閉じていたXANXUSは、
外から聞こえる喧しい声に、ゆっくりと瞼を上げた。
気怠げに窓を見ると――
庭でスクアーロと凛音が言い合っている姿が見えた。
⸻
(回想)
「私が、メイド……? したことないんですけど!」
「うるせえ。決定事項だ」
「ボス!?」
⸻
凛音はあの日からずっと、文句一つなくメイドの仕事をこなしている。
だが、命令した“堅苦しい言葉遣いをやめろ”だけは守らない。
(納得してねぇんだろうな)
そのことはXANXUSも十分理解していた。
だが――だからと言って。
「スクアーロ様の体力と比べないでください!」
「比べるまでもねえ! 体力なさすぎだぁ!」
「これでも一般隊員よりはあります!」
「はっ! 訓練のしがいがねぇんだぁ!」
庭から響くぎゃあぎゃあとした大声は、どうにも耳障りだった。
面倒は嫌いだが、騒音はもっと嫌いだった。
「……うるせぇ」
XANXUSは舌打ちし、あとでカス鮫(スクアーロ)にグラスを投げつけると心に決める。
手の中のグラスを一飲みし、低く息を吐いた。
そのとき――ふと脳裏に小さな声がよみがえる。
⸻
(回想)
『おにいちゃんのめ、あかくてきれいね』
⸻
幼かった凛音の、澄んだ瞳。
初めて会ったときだけは、あの子は意外と大人しかった。
(……ガキが)
珍しく、口元にうっすらと笑みが浮かぶ。
すぐに表情を引き締め、携帯を取り出した。
「……スクアーロ。来い」
短く告げ、通話を切る。
⸻
――その頃・書庫
スクアーロと別れた凛音は、静かな書庫にいた。
屋敷の中で唯一、誰にも邪魔されずに休める場所。
古い紙の香りを吸い込みながらページをめくっていると、不意にあの頃の記憶が蘇る。
⸻
(回想)
『おにいちゃんのめ、あかくてきれいね』
⸻
幼い自分は怖いもの知らずだった。
あの「赤い目のお兄ちゃん」に向かって真っ直ぐ言ったのだ。
(……本当に、我ながら大胆だったなぁ)
思わず頬が緩む。
その後も、何だかんだでXANXUSは相手をしてくれた。
ヴァリアーに入りたいと言ったときも、反対はされなかった。
無口で粗暴で、乱暴で……でも。
(あの人、面倒見いいんだよね)
本を抱えたまま、凛音はふっと笑いを漏らした。
⸻
――そして
まったく別の場所で考えているのに、
二人の思いは奇妙に呼応していた。
⸻
XANXUS
「……あいつも少しは可愛げがあればな」
凛音
「いつか優しくしてあげなくもない……かな」
⸻
気づくことのないまま、
互いにほぼ同じ言葉を胸に思い、同じようにため息をついた。
ヴァリアーの屋敷に、静かで柔らかな時間が一瞬だけ流れた。