ネモフィラの追憶
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「…ずっと、お前を待っていた」
優しい笑みを浮かべる最愛の人、──────との再開で、私はようやく記憶を取り戻した。
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永遠の愛なんて存在しないものだと思ってた。
生きている間にどれほど愛し合っても、その愛が来世までも続くとは思ってもいなかった。
だって、人は死ねば記憶を失う。
どんなに愛していた人の事でも、綺麗に忘れて次に生まれた時に他の誰かを同じように愛していく。
何度も何度も、繰り返し愛していく。
だけど、今世の私は誰の事も愛すること無く、18年という短い人生を終えた。
呆気ない事故だった。
赤信号を無視した車と衝突し、吹き飛ばされて全身の痛みと苦しみと、恐怖に涙し、静かに息絶えた。
ちなみに私を撥ねた車は降りてこようとしていたけど撥ねた事への恐怖やら何かでそのまま走り去って行った。
その間私はただただ一人きり、寂しい所で死んでいった。
そうして生前最期の記憶がよろしくないけど、時の狭間のような、天国でも地獄でもない、よく分からない場所へ気が付いたら立っていた。
そこで金髪の見たことある人がベンチに座って待っていた。
その顔を見て、私は全てを思い出した。
「…ジョット」
「ああ、思い出してくれたか?」
「…ごめんなさい。忘れないって、約束したのに。私だけ忘れていた」
ずっと、ずっと昔。
気が遠くなるような大昔の前世で、私はプリーモことジョットと愛を誓い合った。
誰よりも優しく一途に愛し続けてくれるジョットを愛さないはずが無かった。
誰よりも好きで好きでたまらなかったのに。
生まれ変わっても一緒になろうと約束したのに。
何度生まれ変わっても同じ世界線になることはなく、私は一人生まれ変わり続けた。
一方でジョットは生まれ変わることなく、ずっとここで私を待ち続けていたという。
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