花に込められた物語
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「あんずが居るからプロデューサー要らないぞ?」
「あんずだけでいいって言うか」
「確かに名前も頑張ってくれてはいるけどさぁ……」
何度も私は必要ないと言われてきた。
実際私は優秀な訳じゃないから、あんずちゃんと比べられて劣ってしまうのは仕方がない。
けど、けど。
トリックスターが勝てたのはあんずちゃんのおかげだけじゃないでしょう?
私だって必死に頑張ったんだよ。
何もかもがど素人だから、必死に色々専門を勉強して、椚先生や陣先生に聞いて計画を立てたり。
私なりに頑張ってきたのに。
「あんずは偉いよ、俺達のためにここまでしてくれる」
貴方達が踊っていたステージは私が考えたんだよ。
「忙しいのに嬢ちゃんは服まで作ってくれる。感謝してもしきれねぇな」
その服、作ったのは私なんですよ。
あんずちゃんはステージを考えてくれたんです。
ステージも衣装も良かったでしょう?頑張ったんです。だけど、私が作ったとは思わないんですね。
「あんず〜!前楽譜拾ってくれたお礼!おまえのために曲書いたぞー!!」
あの時風に飛ばされた楽譜を拾ったのは私ですよ、月永先輩。
あんずちゃんよりも前からずっと会っているのに、顔すら覚えてもらえてないんですね。
「あんず!」
「あんずちゃん!」
「転校生」
「嬢ちゃんや」
「プロデューサー」
みんなが口にする名前は、決して私の名前なんかじゃなくて。
「皆さんっ!これからもよろしくお願いしますっ!!」
ああ。そうか、私は最初から必要なかったんだ。
最初は一緒に頑張ろうね、と言い合っていたのに、今では私の名前すら呼ばなくなったもんね。
「(もう誰とも関わりたくない。どうでもいい)」
楽しそうに笑っている輪に入りたくても、入れないから。
いっそ、友達なんて、仲間なんて要らないから。折れることのない心が欲しい。
「(どうして、私はいけないんだろう)」
愛されたかった。
必要とされたかった。
でも、叶わないから。
私はあの子じゃないから。
なら、それならいっそ。
「(私に触れないで)」