ネモフィラの追憶
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知らなかったでしょう。
知ろうとすらしなかったでしょう。
私、そんなに強くないんです。
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溢れそうになる涙を堪え、真っ直ぐと前を見つめる。
降谷さんは酷く動揺した顔で、固まっていた。
「・・・どれだけ好きでいても叶わない事があるって分かってます。でも、それでも、こんな結果はあんまりです・・・」
きっと貴方は貴方の正義の為に戦い生きていく。
その途中で多少の犠牲が生じようとも正義の為だと切り捨てて行く。そんな人だと、痛い程分かっている。
でも婚約を約束していて、子供が出来たと知らせる前に、別れを告げるなんて。
結局私は、貴方の駒にしかすぎなかった。
そんなの当にわかっていたのに。
「・・・すまない」
苦しそうに謝る降谷さんに頭の中が赤く染った。
なんで謝るの。謝るくらいなら騙さないで。嘘の愛を囁かないで。
馬鹿なのは私だと言われても、私は受け止められない。
何に対しての謝罪なのか分からないし分かりたくもない。
何も言えない降谷さんにもういいです、と言い、偽りの愛の家から飛び出し気がついたら神社へと来ていた。
結局、降谷さんは追いかけてこなかった。
神社へ着いた瞬間堪えていた涙が溢れてきて、蹲って泣いてしまった。
そしてそこでたまたま神社前を通りかかった女の人にどうしたのかと聞かれ、訳を話しているとまたじわりと涙が溢れそうになり、それをそっと拭って話を聞いてくれた女性は女神に見えた。
お腹の子も居て、これからどうしようかと途方に暮れている事を話すと、うちで働かないかと言われた。
正気でいたならば怪しさ満点のその話に、自暴自棄になっていた私は見事釣られ、着いていくとどうやら時の政府と呼ばれている所で、おお?これはもしや刀剣乱舞のクロスオーバーか??となり、色々と落ち着いた。
それからはお腹の子の為に生きていこうと決め、私は政府の役人になった。
勿論安定期に入るまでは事務仕事という名のハンコ押しだけで、出産までみんながサポートをしてくれて、本当に政府の方、主にあの時声を掛けてくれた女性、櫻子さんには頭が上がらない。
そしてそんな私は子供の育児を頑張りながら、今日から審神者始めます。