陽だまりの中で
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「……こ、これはまさかの」
「異世界のようだな」
さらりと現実を認めざるを得ない事を言ってますけどねぇ!?
しかしね、どうやら普通の異世界じゃないんですわ。ええ、それはもうおどろおどろしい雰囲気なんですよ。
え?さっきまで我々教室に居ましたよね?
なんで???どういう宇宙の原理なんですか?
教えてっお兄ちゃん!!
「取り敢えずここは鬼滅学園じゃないことだけははっきりしているな」
いやそうだけどそうじゃないんだよねぇ!!
聞きたいのはそっちの答えじゃないんだ!
てか、
「ねえなんでそんな普通なの?怖くないの?この状況」
「鬼が出るわけじゃないからなぁ。少し驚いてはいるが」
「そうでした貴方怖いもの無しだったねえ!けど私は怖いんですよ!助けてくれ長男」
高校生にもなって人に縋ってみっともない?善逸みたい?うるせえ黙ってろ!善逸はもっとうるさいから!!
だって考えてみて!?ドア開けてさあ帰ろう!ってなった瞬間広がる景色は知らない校舎で電気の1つもついてないし、雰囲気は最悪だった場合!!
あ、そんな事普通有り得るはずがないか。はい解散。
いや集合。
こちとら色々とほんとに焦ってんだ。
まあ勝手に解散して集合かけるのもどうかと思うよ?けど今そんなこと言ってる場合じゃないくらい緊急事態なんだよ。
だって、私知ってる。
これ、ホラーな世界でしょ???
ゾンビとかガチの地縛霊的なのから追いかけ回されるっていう。
知ってる。支部で見たもん。脱出率0%のやつじゃん。
いやしかし待て。竈門炭治郎というの名の全知全能主人公がいるから、もしかしてこれは、この状況で主人公力を発揮することで脱出できるかの有無を試す一種のイベント的な?脱出率0%の異空間VS主人公パワーみたいな?
やめろ私を巻き込むな帰れ。待ってやっぱその前に私を元の世界へ返してくれ。
なんて遠い目をしていたら炭治郎が先程から静かな事に気が付き慌てて顔を向ける。
「ごめんご。考え事してた」
「……」
「……炭治郎?」
「あぁ、すまない」
珍しく返事が無かったので不安に思い名前を呼ぶとぱっと視線はこちらへ戻ってきた。
……ん?戻ってきた?
一体どこ見て──────────
「先程から廊下の奥の教室からこちらを覗いている人がいるんだ。話しかけに行くべきだろうか?」
ゑ???
私の後ろを指さす炭治郎に思わず笑顔が消えた。
そして壊れた人形のように指さす方向に首を回すと、確かにこちらをずっと覗いている不気味なモノがいた。
それは目が合うと気持ち悪い笑みを浮かべ教室から出て、ゆらゆらとこちらへ近づいてきた。
私は炭治郎と違い『視る』事を得意としていたからか、それだけで既に人ではない事が分かった。
「?暗くてよく見えないがあの人は…「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"いいから!!早く逃げるよバカ炭治郎!!!」ムッ。俺は馬鹿じゃないぞ!」「あーはいはいそうねぇ!?私が悪かったから早くうううう!!!」
ゆっくりと歩いてくる"アレ"に逃げる素振りを見せない炭治郎の手を引いて思いっきり階段を駆け下りた。
他の階に別のモノが潜んでいる可能性が高いことを忘れて。