背中合わせで伝える言葉
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夢主は青葉城西女子バレー部主将
及川恋人
結構男前な性格です。
インターハイ予選決勝
もうすぐ私達三年生、最後のインターハイ予選が終わる
(今年は及川達勝てるだろうか?)
祈るように手を組み観客席から決勝戦を見る
この試合の後には私も白鳥沢との決勝を控えている
この三年間、男子も女子も白鳥沢に勝てたことは無い
(ずっと同じ相手に負けてきた、及川は中学でも・・・)
組んでいる手に力が入る
目の前で行われている試合
どちらが優勢かなんて考えたくもない
認めたくない・・・
(まだ駄目なの?)
チームメイトに最高のトスをあげる彼
(あれだけ一緒に練習して、それでも)
華麗なサーブを打つ彼
(越えられない)
結果は青葉城西のストレート負け
何度目かの圧倒的な敗北
自然と目頭が熱くなる
コートから目を背け私は階段へ歩く
ふと、コートを振り返る
いつもなら私がいる観客席の下まで駆けてくる彼も背を向けたまま
(及川、皆もお疲れ様)
「舞?アップ入るよ!」
チームメイトの声だ
私は一度顔を伏せて
チームメイトに小走りで駆け寄った
「ごめん、行こうか」
男子と同じ色のユニホームをまとって
(こっちの試合が終われば会う予定だし
今行ったら去年みたいに「試合は?!」って怒られそう・・・)
コートと客席
顔すら合わせていないけど
彼は私が見ているのに気づいていたから
大丈夫
(あんたの分まで、なんてカッコつけたこと言う余裕なんかないけど
まかせてよ)
「舞?」
はっと顔を上げると
いつの間にかチームメイトのみんなが強い真っ直ぐな瞳で私を見ていた
青葉城西男子バレー部の分まで
何より、私たちの夢の為に
「勝つよ、絶対」
自分たちのコートにただ前だけ向いて歩く
後ろからはチームメイトの頼もしい言葉の数々
みんなと必ず夢を掴むから
だからどうか
(いつもの笑顔で上から見ててね?
うるさいくらいに名前を呼んでよ?
後で何回だって跳んであげるから
何度でも練習、付き合うから)
私の左足には右の黒色とは違う
白色のサポーター
私はスパイカー
彼はセッター
ポジションは違うけど
夢は、思うことは同じ
(先にあそこで待ってるよ)
だから追いかけてこい
(あんたが何考えてるかぐらいわかるよ、徹)
コートへの道を歩く
(見てて)
どんなボールだろうが叩きつけてやる
彼仕込みのサーブでサービスエースをとって
(もう、負けたところは見せたくない!)
立ち止まった私を不思議がるチームメイト
私は左のサポーターに右手をあてる
(あんたのあんな背中、もう何度目だよ
だからせめて)
笑顔にしてあげたいんだ
女子決勝
コートに入る私たち
彼もみんなと観客席にいる
コートに入る直前、いつも通り私は後ろを振り返る
そして彼と同じ言葉をかけるのだ
ただ一言
「信じてるよ、お前ら」
さぁ、勝つぞ!
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