永遠より確かなもの(柳臣次)
どんなに好きでも、
どんなに愛していても、
『永遠』なんてものは信じられない。
だから、怖い。
貴方を失う日が来るのかと思うと、怖い。
「柳…」
真夜中、不意に襲われた不安に、私は助けを求めた。
隣で眠る柳の脇腹に鼻先をつけて体を丸めると
寝てると思った腕が、私の体を抱いてくれた。
「どうした…」
かすれた声がして、
「何でもない…」
小さく答える。
柳の指がそっと私の髪を撫で、
泣きそうになる。
柳は温かい、
温かくて、優しい。
『永遠』なんて信じられない。
だから、
柳を信じよう。
貴方が与えてくれる、この真夜中の温もりを。
目を閉じると、柳の規則正しい呼吸に私の鼓動が重なった。
それは、
永遠より確かなもの。
End.