my sweet sweet home(香月ゲン)

ゴーグルを片手で外し、通いなれた玄関を開けて、そのまま軽快に二階の突きあたりまで一気に上がる。

「たっだいま〜」
「ただいまじゃねーよ!」

ドアを開ければ、鮫のどなり声。

「だってお前ん家のが近いじゃねーか」
「んな問題じゃねーだろ!ここはオレん家オレの部屋!」

鮫の文句なんていつものことで。


「それよかさぁー」

持っていたゴーグルをテーブルに置くと、ベッドに背を預け漫画を読んでいたユイと目があった。

「何でお前がここにいんの?」
「ゲンこそ何してんの?」

「オレは帰るのかったりーから、セカンドホームに来たんだよ!
お前はなんでいるんだよ!」
「私だって鮫に用があるからいるのよ」

オイオイ、

「よー、おかしーだろ?
こんな時間に彼氏の親友の部屋にいるって」

だいたい、漫画を読んでるだけじゃねーか!

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