Looking For You(阪東秀人)

きょとんとした顔の前にもう一度しゃがみ込んだ。



「なあ、オレも手ぇ繋いでいいか?」


オレを見る目がちょっと驚いて、
でも、次の瞬間には小さな手が差し出された。


その手をとると
小さいくせに強くて温かくて

慣れないものに、オレはちょっと照れた。







「ねぇ、この子のこと、ヒロミ君に聞いたの?」
「いや、ヒロミは知ってたのか?」

ユキが首を振って答えた。

「何も言わなくてもばれちゃった。
“似てる”って笑ってた」



「ねぇ、おにーちゃんお名前なんて言うの?」

隣を歩く小さな顔がオレを覗き込む


そうか、似てんのか…


「オレは阪東秀人。お前は何ていうんだ?」

「あのね、ぼくの名前はね―…









立ち止まり振り向くと
そこにはユキが微笑んでいて




なくしてしまった大事なものを


オレはやっと、

見つけることが出来た。





End.
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