Looking For You(阪東秀人)

「…そうよ」

「………」

「別れたあの時、4ヶ月だった。
でももう言い出せるような関係じゃなかった」


ああ、そうだな






「それでも、私はどうしても産みたかったの」

つよい意思のある言葉

だが、その言葉とは裏腹に瞳が潤む



「だって愛してる人の子供だもん」


子供の手をぎゅっと握ってユキが笑った。




(死ぬまで後悔するぞ?)





「今は?」
「大丈夫だよ、迷惑はかけないから心配しないで。」
「違う、今はどうなんだよ?」
「?」
「今はもう愛してねーのかよ…」


「…愛してるよ、もちろん今でも」

ほらっと、笑って見せられたのは
薬指


やっぱり見間違いじゃないんだな

それは、オレが昔お前に贈ったヤツなんだな。



本当にバカだよな、と
オレを見上げる子供の頭をわしわしと撫でる。


「あの日別れたことをずっと後悔してた」


―何度も何度も振り返り、
お前を探した。




ずっと伝えたかった。




「オレも、今でも愛してる」

「秀人…」

「もう一度やり直さね―か?三人で」






笑って頷いたユキの目尻から、涙がこぼれた。


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