Looking For You(阪東秀人)
「待てよ」
オレの声に二人が振り向いた。
もう一度、ユキの薬指を確認する。
…同じようなヤツなんていくらでもある。
だけど、
オレはゆっくりと子供の方に近づくと、しゃがみこんでその子の目を覗き込んだ。
「なぁボウズ、いくつだ?」
優しくそう尋ねると
握っていた手をゆっくり開き、指を出した。
よんっ、と。
「へえ、四歳か」
「うん。この間ケーキ食べた」
「そうか、この間四歳になったのか」
こくん、っと笑う顔に微笑む。
―別れたのは四年半まえ
(話があるの)
あの時、ユキの様子はどうだった?
オレ、ちゃんと見てたか?
いいや
オレは…何も見ていなかった
立ち上がりユキの目を見て聞いた。
「オレの子、だな?」
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