Looking For You(阪東秀人)
「元気?」
ああ、と、ユキの薬指を見る。
結婚、したのか…
「ユキも、変わりないか?」
「うん」
オレ達は近くのベンチに腰を下ろした。
二人とも視線は目の前の砂場で遊ぶ子供にいっていた。
「こんなとこで会うなんてね」
ふふっと笑う顔はあの頃と全然変わっていない。
「秀人、夢叶ったんだね」
よく流れてるよ、とユキが言った。
「「………」」
「今、幸せなのか?」
「うん」
愛しそうに我が子を見るその顔に
「そうか」
オレは何も言えなかった。
「そろそろ行くね」
「ああ」
立ち上がった母親を見て子供が駆け寄る。
その頭に手をのせると
少し照れて、ばいばい、と笑った。
「さよなら」
やわらかな光の中
別れの言葉がオレの中で重なる。
二度も言われちまったな…
遠ざかる二人の背中をただ見つめるオレの頭に
ヒロミの言葉がよぎった
(大事なことを見落としてんだ)
大事なこと…
「おい」
オレはユキを呼び止めた。
.
ああ、と、ユキの薬指を見る。
結婚、したのか…
「ユキも、変わりないか?」
「うん」
オレ達は近くのベンチに腰を下ろした。
二人とも視線は目の前の砂場で遊ぶ子供にいっていた。
「こんなとこで会うなんてね」
ふふっと笑う顔はあの頃と全然変わっていない。
「秀人、夢叶ったんだね」
よく流れてるよ、とユキが言った。
「「………」」
「今、幸せなのか?」
「うん」
愛しそうに我が子を見るその顔に
「そうか」
オレは何も言えなかった。
「そろそろ行くね」
「ああ」
立ち上がった母親を見て子供が駆け寄る。
その頭に手をのせると
少し照れて、ばいばい、と笑った。
「さよなら」
やわらかな光の中
別れの言葉がオレの中で重なる。
二度も言われちまったな…
遠ざかる二人の背中をただ見つめるオレの頭に
ヒロミの言葉がよぎった
(大事なことを見落としてんだ)
大事なこと…
「おい」
オレはユキを呼び止めた。
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