Looking For You(阪東秀人)

「ねえ、私たち別れよう…」


ユキがそう言ったのは
紅葉した葉がひらひらと落ち始めた、秋の終わりだった。



「なんだ突然…」
「突然じゃない。ずっと、考えてた…」


そうか

「お前がそうしたいならそうすりゃいい…」









あの頃オレは、ただ自分の夢に夢中で


お前の待つ部屋に何日も帰らなかったり

同じ部屋にいてもお前を見ていなかったり


話さえ聞いていなくて


(ねぇ、話があるの)
(悪ぃ、時間がねぇんだ。)








別れなんて
簡単だとおもってた。







なのに、




「さようなら」




最後に聞いたお前の声が
今もオレの胸にこだましてんだ。




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