Happy days(武田好誠)

大晦日、

あとわずかで日付が変わり、新しい一年が始まる。




「さすがに寒いな…」

吐く息は真っ白だ。



初雪が降ったのは昨日、
積もりはしなかったが今日も霙混じりの雪が舞った。


12月も、今年も終わるな。






足を止め煙草を取り出す、
カチン、
人気のない闇にジッポが鳴り、オイルの香りとともに紅い炎を灯す。






深く肺に吸い込んだ煙を吐き出すと、
白いそれは息よりもさらに深みがあり、しばらく宙に漂って、やがて闇に染められた。








今年最後の一服を全身で楽しんでいると、携帯が鳴りだした。


一回…


二回…


三回…


四回…


五回…




五回、そこでコ―ルは途切れ
音さえも闇に溶けた。


わりに早かったな、と思い


さて、と






短くなった煙草を捨て、再び歩きだす。


あと少しで今年が終わる…


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