Happy days(武田好誠)

部屋の時計を見ると今年も残すところあと十数分、

私はテ―ブルに置いていた携帯を手にとった。




クルクルとメモリ―を探して表示させたのは、今、一番聞きたい声。




今年最後には、
そして新年最初には、
やっぱり好誠の声が聞きたい。







好誠は、今ごろきっと大切な仲間と一緒。




繋がらないかもしれない、


………


ディスプレイを見つめて

五回だけ、


そう決める。



五回鳴らしてダメだったら切ろう。



ピッ

私は指に力を込めた。



トゥルルルル…

トゥルルルル…

トゥルルルル…


好誠に繋がるまでのこの音は、いつも私を不安にさせる。


トゥルルルル…

出ることが当たり前だとは思えない。


いつだって、この音を長く聞けば聞くほど、もう二度と会えないんじゃないかと不安になる。


トゥルルルル…


五回目。


ピッ、


「忙しい、か」



1/4ページ
スキ