あなたに捧げる想い(複数)

前を行く将五がちらちらと私の方を見る。




「何処に行くの?」


そう尋ねても教えてくれない。



カフェから歩くこと10分。


着いたところは、ごついアクセサリーショップだった。


将五は真っ直ぐにカウンターに行き、店員さんと何かを話している。

何か取り寄せしてたのかな?


おお、この髑髏、すごい将五に似合いそう!!

店内はシルバーアクセがメインで、武装のみんなが好きそうなアクセが沢山ある。



「みえ」

ふらふらと店内を見ていた私を将五が呼んだ。

「何?」と、近づくと

「ああ、確かに細いね」

店員のお兄さんが私を見てそう言った。

何?


「これ付けてみろ」

将五に差し出されたのは、シンプルなデザインが彫られているリングで、
店に置いてあるものとは少し違う。


「サイズ8号でいいんだよね?」

店員さんに確認されコクリと頷くと、
将五は私の指にそのリングをはめてくれた。


…ピッタリ。



「オーダーが間に合って良かった」

店員さんのその一言で、私は理解する。


もしかして

もしかして


「将五、コレ、プレゼント?」


途端に将五の顔が照れた。


「じゃあ、ラッピングするからはずしてくれる?」

そう言った店員さんに、

「いいです。このままで」

私は笑って答えた。


「じゃあ、そのままどうぞ」


にっこりと笑った店員さんに送られて、私たちは店を出た。


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