あなたに捧げる想い(複数)

「みえ、オレちょっと用事があるから30分ほどあけるぞ?」


時計を確認した将五にそう言われたのは、カフェで休憩しているとき。

「え?今から?」
「ああ、すぐ戻るからここで待ってろ」

………

「武装?」
「いや、違う」
「じゃあイヤだ」
「すぐ戻るから」
「イヤだ」

私はむくれて見せた。

「みえ」
「折角久々に会えたのに、たとえ30分でもイヤだ」


我が儘だと自分でも思う。
でも、本当にイヤだった。

ここ最近ずっとひとりだったんだ。
今日は一分一秒だって離れたくない。





はぁー、とため息をつき、「言い出したら聞かねぇな」と、将五は苦笑いして立ち上がった。


「行くぞ」

やった!
私は「うん!」と笑って荷物を取る。

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