恋は駆け引き(加東秀吉)

「ほらアレだ、いつもしつこいくらいお前が言ってたヤツ。」
「ああ、アレ。」
「………。」


ふん、言ってやるもんか。

「だって言わなくても分かるって言ったじゃん。」
「………。」
「分かんないの?」
「………。」



カチンっ

ジッポを開けて秀吉がタバコに火を付ける。

はい、これでこの話はお終いなわけね。











「じゃあバイバイ。」
「おう、気ぃつけてな。」

途中まで送ってくれた秀吉にそう別れを告げた帰り道。

ん?

秀吉が鳴らしたメールの着信音に気づく。

あ、何か忘れ物したかな、



財布だったら取りにいかなきゃ。


受信ボックスを開いて、目に入ったのは、







『すきだ』

の一言。



勝った。

と、思わず顔が緩んだ。




(『次はちゃんと言葉でちょうだい。』っと…よし、送信!)

End.
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