恋は駆け引き(加東秀吉)

それから数週間。







「お前最近静かだな…」

そう言われたのは秀吉の部屋で、
テレビを見ている時だった。





「静か?」
「…ああ」
「そんなことないよ?」
「いや、前みたいに騒がしくないっていうか、…あんまり言わね―な、と思ってよ」
「何を?」
「何って…」


秀吉が濁す言葉…

マズイ、思わず顔が笑ってしまう。







あの日から、私は一切秀吉に“好き”と伝えなかったんだ。
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