バイバイ(小林政成)

にしても、

「秀吉が来るとは思わなかった」

クラス会なんて鼻で笑いそうなのに…
昔からそういうヤツだ。

「マサに無理矢理なんだよ」
「い―じゃね―か、どうせもうすぐこの街出るんだからクラス会くらい出とこうぜ?
もう会えないヤツとかもいるしよ」
「え?二人ともこの街でるの?」
「…まあな」
「そっか―…じゃあ今度はいつ会えるか分かんないね」

マサが無理矢理秀吉を誘ったんだ。



ふとそのやりとりを想像する。
優しくて、でも絶対に折れたりしないマサ。
秀吉は根負けして連れてこられたんだな。
本当に…マサは変わらない。


ジョッキを横にずらして私はマサを見た。

もう結構飲んでたと思う…

「ねぇ、マサ」
「ああ?何だ?」

「私、中学ん時、ずっとアンタのこと好きだったんだよ?」

「…はぁ?!」

マサは持っていたタバコを危うく落としそうになった。
となりの秀吉も突然の告白に驚く。


「バレンタインもマサに渡したくて、でも皆にはばれたくなくて、
マサにあげるためにあえてクラス中の男に配ったんだよ?」

今だから言えるコト。
我ながら健気だったな。

「手が込んでんな」

呆れたように秀吉がそう言った。


はははと笑う私に

「なんでそん時言わね―んだよ」

マサは口を曲げてそう言った。

だって…
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