指先から伝わる愛(柳臣次)

「わ、私…帰るね!」

顔を真っ赤に染めたまま立ち上がり、口をパクパクさせて逃げるようにブライアンを出た。


片想いの相手にとるには、あまりにも大胆な行動。




どどどうしよう!!何やってんのよ私!!
心臓が口から飛び出しそうなほど大きな音を立てている。


穴があったら入りたい…ってか入る穴を掘りたい!!




でも…





ふと、さっきまで柳の手を握りしめていた自分の両手を見つめる。

気付いた瞬間思ったのは“男らしい”だった。
“きれいだ”と思った柳の手、でもそれはやっぱり男の手だった…


あ~、と更に顔が赤くなる。

両手で火照るほほを押さえると、微かに柳のタバコの香りがした。


もう、重症。



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