指先から伝わる愛(柳臣次)

―長くてきれいな指…

そう思ったんだ。







「…おい…」

え?

低いけれど、私の耳にはこの上なく優しく響く声。
顔をあげれば少し困惑した柳の顔。


回りをみれば鉄生と将五が固まっていて、好誠においては苦笑いをしている。

何?

みんなの視線が注がれる自分の手元を見てみれば


え゛?!

しっかりと柳の右手を掴んでいる私の両手。

ばっと手を放すのと同時、身体中の血が顔に集まる。


「ご、ごめん…」

それは無意識にしたことで、
自分では全く気付かなかった…

目の前に座る柳、テ―ブルの上に置かれた手が、指がきれいだなって思っていただけ…な、はず…


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