エ「えっと確か最上階の…」

この間来た時の記憶を辿って”紅蘭”と書かれた表札の前に立つ。

緊張してインターホンを押すのにも躊躇ってしまう。

ル「おれがおしたい！」

エ「え？ま、まぁいいけど」

ぴょんぴょんとエースの足下でで飛び跳ねているルフィの脇の下に手を入れて持ち上げてやる。

ぴんぽーん、という音が鳴って部屋の中からばたばたと足音が近づいてくる。

がちゃっ、とドアを開けた恋歌はエースの腕から降りて抱きついて来たルフィを受け止める。

『迷わなかった？』

エ「ああ

一回来てるから大丈夫だった」

『あ、荷物重そうだね

中どうぞ』

エ「あ、はい、ありがとう…」

ほとんどの荷物を1人で抱えているエースが入りやすいようにルフィを抱えたままドアが閉まらないように押さえる。

エ「お、お邪魔します…」

相変わらず広い玄関に圧倒されながら、ここに住むということにも違和感しか感じない。

『違うよ』

エ「え？

なにが違う？」

とりあえず荷物をおろそうと少し玄関を進もうとすると恋歌が恥ずかしそうに、でもどこか嬉しそうに笑った。

『自分の”家”に帰って来たときはただいまって言うの』

エ「……恋歌…」

『おかえり

エース、ルフィくん』

ル「ただいま！」

元気良く返事を返したルフィは恋歌から離れてとととっ、っと先に中へ入って行った。

『少しの間かも知れないけど…わたしは一緒に住める人ができて嬉しい』

へへっ、っと笑う恋歌は照れ臭そうだが幸せそうで…。

エ「…た、ただいまっ」

半ばやけくそ気味に恋歌にそう返すとルフィの後を追うように急いで部屋に入っていく。

そうしないと恋歌に赤くなった顔を見られるから。








エ（あんな笑顔反則だろ！！）