『ありがとう…』

慰めるために頭を撫でてくれているルフィを抱きしめ返してエースに先ほど伝えた通りに自分と同じ家で住まないかと問う。

ル「恋歌ねぇちゃんといっしょにすめんのか！？

エースもいっしょに！？」

『もちろん二人一緒よ

サボも時々来てもらえばいいし』

ル「やったぁー！！！」

悶々と横で悩んでいるエースを無視してどんどんルフィの気持ちが取り返しのつかない方向までいってしまっている。

エ「あ、あのな？ルフィ…

まだ一緒に住むと決めたわけじゃ…」

ル「えー…

エースは恋歌ねぇちゃんといっしょにすむのいやなのか？」

嬉しそうに走り回っていたルフィだったがエースにそう言われ拗ねたように頬を膨らませる。

エ「いや、嫌ってわけじゃないけどよ

大人には大人の事情があってだな…」

ル「なんだよそれー」

大人の事情とは金銭面的な問題もあるし、さらにエースは恋歌のことが好きだ。

恋愛のことなどわからないルフィと、想い人の恋歌と一緒に住むことが少し問題なのではと考えているのだ。

『エースが人からお金を借りるようなことも世話になるのもなるべくしたくないっていうのはサボから話を聞いて知っているわ

でも私にも何かさせてほしいの』

エ「そ、そりゃありがたいけどよ…」

『言ったでしょ？

次が見つかるまでの間だけでもうちにいたらいいって

ルフィ君の保育園だって近いし、学校だって近い

悪い立地ではないと思うけど？』

確かに場所的にはとてもいい条件なのは事実。

エ「あ、あのさ…

すごい不快に思うかもしんないけど…」

『ん？』

エ「俺の給料じゃ恋歌のマンションの家賃の半分も出してやれない…

一緒に住まさせてもらうんだからこういうことはきっちりしたいんだ

今の家だってサボと2人でやっとだった

だから…」

お金の話など気分がいいものではないのはわかってはいるが、ここはエースも譲れないところ。

養ってもらうわけにはいかない。

『ああ、あそこわたし家賃いらないのよ？』

エ「え？な、なんで？」

だが、返ってきた返事は考えていたどれよりも違う言葉。

『わたしの家、セキュリティ会社だって聞いた？』

エ「あ、ああ

そういえばそんなこと言ってたな」

『あのマンションのセキュリティのシステムを管理しているのはうちの会社なのよ

だからそこの娘であるわたしは家賃なしで住んでるってわけ』

エ「へ、へぇ…」

スケールがでかすぎていまいちついていけないがようはお金持ちの世界で色々取引があるのだろうと解釈した。