エ「んー…」

あの事件(？)から３日。

あの日からずっとエースは学校に来ては紙を見て唸っている。

サッチ「あー！うっせぇよ！」

それにいらいらして隣の席のサッチがエースの頭を殴るのが日常と化してきている。

エ「だってあと４日しかねぇんだぜ？

でもなかなか決まんなくてよ…

見ろよ！ぼったくりかっての！」

サッチの攻撃はあまり痛くないらしく、反撃はしなかったがその代わりに見ていた紙を顔に押し付けられた。

サッチ「なんで急にこんなことになったんだ？」

顔に押し付けられた紙を剥がして、内容を見る。

エ「それはまぁ…いろいろあったんだよ」

マ「言いたくねぇなら詳しくは聞かねぇがよい…

今はどこもこんぐらいは軽くするよい？」

サッチの持っている紙…アパートの物件の載っている広告を覗き込む。

家賃はどこも今のアパートより高く、ギリギリの生活を送っているエースにはどこもきついのだ。

あの一件のあと、家に帰ると扉の貼り紙がまだついたままで一気に青ざめた。

夜遅かったこともあり次の日に不動産会社に電話すると、一週間後に取り壊しが決定したと言われたのだ。

それまでに次に住む場所を決めておいてほしいと…。

いきなりで申し訳ないと何度も謝ってくれたのだが、買い取った西城グループが日取りを無理矢理早めたらしい。

不動産会社には非はなにもないので何も言うことができなかった。

そして今、次に住む場所を探すために広告を見ているのだ。

エ「だよなぁ…

今まで住んでたとこが安すぎた…」

サッチ「ボロかったっちゃあボロかったけどな」

エ「でも二人で住むには十分だったし、あれでギリギリだったんだよ」

マ「うちに暫く来るかよい？

ちょっとぐらいなら…」

マルコの気遣いを有り難く思ったがエースは首を横に振る。

エ「いや、ルフィも一緒なんだ

世話になるわけにはいかねぇよ

でもありがとな」

サッチ「まぁいい物件見つかるよ

見つかんなかったら俺んちでも来たらいいさ」

エ「さんきゅ…」

いい友を持ったものだと感謝して、あと４日でルフィと過ごす家を見つけなければいけない。

サボとメールをしながら(授業中)携帯でも様々な物件を検索して１日が終わる。

ここ３日はずっとそうだ。

そして今日もそうやって１日が終わり、六時間目のチャイムが鳴ると同時に立ち上がる。

サッチ「今日エースがバイトか？」

エ「ああ

今日の迎えはサボりだからな」

マ「俺もバイトだから一緒に行くよい」

サッチ「俺も俺も」

エ「んじゃ行くか」

実はこの三人、同じバイト先で働いている。

マルコとサッチはあんまり休まないのだが、エースとサボはルフィの迎えがあるため休むことが多い。

だが、今日は三人ともバイトのようで一緒に教室を出た。