エ「てかよ、ルフィ遅くねぇ？」

ニーナが幸せそうな顔をしているのを見ていて、ふと思い出したようにエースが呟いた。

『そうだねぇ

そんなに見るとこないと思うんだけど…

見てこようか』

よいしょ、とテーブルに手をついて立ち上がった恋歌はリビングを出ていった。

サボ「しっかしこの部屋広いよなぁ

マンションとは思えねぇよ」

ニ「もう引っ越す必要もなくなったし、ここで部屋は決まりそうね」

サボ「だなー

ところでよぉエース」

エ「んー？」

エースは自分の分のお茶は飲んでしまったので、サボのお茶を勝手に飲んでいる。

サボ「恋歌に何もしてねぇだろうな」

エ「!!ごほっ!!

変なとこ入った！」

むせるエースを横目にサボはにやりと笑う。

サボ「何したんだよ」

エ「何もしてねぇよ！」

サボ「必死に否定するとこが怪しい…」

にやにやしながら言われ、頭に恋歌を押し倒した時のことが過ったが故意ではなかったため、頭から振り払った。

エ「し・て・ね・え!!」

ニ「恋歌に手出したら私たちが黙ってないからね」

エ「わ、わかってる」

真剣な目で睨んでくるニーナにたじろぎながらも、返事を返すと満足そうにニーナは笑った。

ニ「恋歌が幸せならそれでいいの

恋歌はわかってないのよ

私たちがどれだけ恋歌の幸せを望んでいるのか…」

サボ「鈍感というか、鋭いんだけど自分への好意には疎いって感じかな

ま、頑張れよ」

ぽん、とエースの肩を叩いたが不機嫌なエースに払われた。

『ルフィくんいたよー』

ちょうど話が終わったタイミングで帰ってきた恋歌だったが、いたと言っているわりには一人で帰ってきた。

エ「あれ？ルフィは？」

『やっぱり眠かったみたいで私のベッドで寝てた』

エ「悪いな

夜もだいぶ遅くなったしそろそろ帰らしてもらうよ」

ニ「そうね

明日学校もあることだし」

サボ「ルフィも保育園あるしな

風呂にも入れてやらねぇと」

『そっか

ならルフィくん連れてくるよ

先に玄関行ってて』

帰り支度をし始めた三人に玄関に行くように言ってからルフィを連れてくるためリビングをもう一度出た。







エ「ほら、こっち来い

家帰るぞ」

恋歌に抱えられて眠そうなルフィをエースが受け取り、ぎゅっと抱きついてきたルフィを落とさないようにしっかり抱き締める。

ニ「じゃあお邪魔しました」

サボ「また明日学校でな」

『下まで行くよ』

サボ「いや、遅いしここでいいよ」

『ありがと

あ、皆がエースとサボの鞄とルフィくんの保育園の鞄も見つけといてくれたみたいで家に持っていってくれてるみたい』

サボ「マジか

ありがとな」

『私はなにもしてないから

それじゃあ帰り道気を付けてね』

ニ「うん

恋歌もゆっくり休んで」

『うん

ばいばい』

玄関先で手を振ってくれる恋歌に三人が手を振り返して、エレベーターに乗った。