エースとサボは顔を見合わせて意味がわからないといった顔をしたが、すぐににっ、と笑った。

エ「あいつ泣き止ますぐらい簡単だよな？」

サボ「ああ」

「ならお願い」

エースとサボはルフィの方を見ると大声で話しかけ出す。

エ「ルフィ！」

名前を呼ばれたことで怖くて閉じていた目を開ける。

サボ「お前いつまで泣いてんだ？」

エ「兄ちゃんたちはお前をそんな泣き虫な男に育てた覚えはないぞ」

サボ「いつも俺たちみたいに強くなりたいって言ってたろ？

だったら泣き止め

俺たちが泣いてるとこ見たことあるか？」

エ「たとえどんなに怖くても男なら虚勢を張ってでも泣くな

そんな下らねぇ力に屈したら男に産まれた意味がねぇ」

エースとサボの言葉が聞こえたルフィは何度も大きく頷いて歯を食いしばって涙を止めた。

「さすが

恋歌、行ける？」

『いつでも

ルフィくん、少しの間目を閉じてくれるかな？

次に目を開けたときには怖いことはなくなってるから』

恋歌の優しい声にルフィはゆっくりと目を閉じた。

隼「さっきから黙って聞いていれば…！

もう構わん！撃て！」

苛立ちがピークに達した隼人は男に撃つように命令する。

一瞬迷った男だったが、震える指で一回引き金を引いた。






エ「？外した…のか？」

銃声は聞こえたものの誰も倒れたりしない。

「いいえ、違うわ」

オレンジの髪をした女が恋歌の背中を指さす。

「うちの姫様、甘くみないでくれるかしら？」

見れば先ほど地面に置いた刀をいつの間にか握っている。

『ナミ！』

ナ「任せて！」

どこからかスイッチのようなものを取り出すと迷うことなくそれを押した。

それの一瞬後に起こる爆発。

しかも主に隼人たちがいたところが爆発している。

パニックになった隼人は逃げようとするが周りを瓦礫や火に囲まれ、逃げ場がなくなる。

エ「あれ？恋歌は？」

さっきまで目の前にいた恋歌がいないことに気づいたエースがナミと呼ばれた女に尋ねる。

ナ「さっきも言ったでしょ

うちの姫様、甘くみないでくれるって」

エ「姫様って…」






隼「くそっ…

なんで急に爆発なんか…」

隼人は爆煙と埃にむせながらもなんとか立ち上がる。

『私の信頼する参謀をなめないでもらえますか？』

隼「！」

爆煙と埃が舞う中現れたのはルフィを片腕に抱き反対の手に刀を持った恋歌だった。