『あなたはやってはいけないことをみっつもやりました』

爆煙の中から聞こえてきたのは聞き覚えのある女の声。

だが、うっすらと見える影はひとつではない。

サボ「あーあ…」

サボは来てしまったかといったような顔をしたがエースには何がなんだかわからない。

『ひとつ、私の友達を傷つけたこと』

コツコツと一人ぶんの足音が倉庫内に響く。

『ふたつ、私の友達の幸せを奪ったこと』

だんだんと煙が晴れてきて人影が真ん中を開けて誰かを通しているのがわかった。

その人物が今話しているということも…。

『みっつ、』

足音が止まり、吹いた風が煙を晴らしていく。

『私を本気で怒らせたことです』

現れたのは刀を持った恋歌とその後ろには様々な武器を持った女たち。

全員白桜学園の制服を着ている。

隼「恋歌、一体これはどういうことだ？」

隼人は頭をフル回転させて現状を理解しようとしているが頭がついていかない。

『どういうことも何も私は友達を迎えに来ただけです

それから私にメールなんか送るなんてどうかしてるんじゃないですか？』

そう、先ほど隼人がメールを送った相手は恋歌だ。

今どこにいて、何をしているのかを丁寧に書いたメールを。

隼「…その刀はなんなんだ？」

いつもと雰囲気の違う恋歌に少し戸惑いながらも恋歌が持つにはあまりに不釣り合いなモノを指摘する。

『ああ、これですか？

私が出した条件覚えてます？』

いきなり話を変えたことに隼人は疑問を持つも、胸を張って恋歌の問いに答える。

隼「もちろん覚えているとも

恋歌と婚約したくば恋歌より強くなれ

それがお前とお前の父親が出した条件だったな」

『覚えていらっしゃるのなら話は早いです』

恋歌は持っていた刀を鞘から抜いた。

隼「まさか…」

『たしかこの条件はクリアされたとおしゃってましたよね？

ならばあなたにとってこの状況は悪くない話なはずです


まぁでもまずは…』

恋歌が後ろに目配せすると後ろにいた女たちが一斉に武器を構える。

それに反応した隼人のボディーガードたちも隼人を下がらせて構える。

『邪魔な周りの方々には気を失っていてもらいましょう

みんな頼むね』

「「「はい！」」」

恋歌に返事を返した女たちはボディーガードたちに攻撃していく。











エ「これどういうことなんだ？

サボお前何か知ってるんだろ？」

目の前の光景に頭がついていかないのはエースも同じだった。

女たちとボディーガードたちは戦いあっているが、人数的には不利な筈の女たちが明らかに押している。

サボ「まぁな

見たらわかると思うけどみんな俺と同じ白桜学園の生徒だ」

ニ「サボ！」

エ「ってニーナ!?」

思わぬ人物が助けに来てくれたことに驚きを隠せないエース。

だがサボは驚くことなくニーナに縄を切ってもらっている。

サボ「前にさニーナが家庭部だって話したろ？」

エ「あ、ああ…」

サボ「あの女の子たちは全員白桜学園家庭部部員

そしてもうひとつの裏での呼び方は…」

ニーナによってエースの縄も解かれる。

ニ「桜姫親衛隊

それが私たち白桜学園家庭部のもうひとつの名前」