エ「もしかして今回引っ越してきたのも…」

サボ「こいつに前の家を知られて仕方なく引っ越したんだ」

隼「そんなのは恋歌の照れ隠しにすぎねぇ

現に俺は今まで恋歌がどこに引っ越そうとも携帯を変えようとも全てをつきとめてきた」

エ「やっぱお前ストーカーだな」

それを聞いた隼人は一人のボディーガードに顎で合図を送るとエースを殴り出した。

隼人はそれを面白そうに見ながら自身の携帯を開いて誰かにメールを送った。

サボ「エース！」

ル「んー!!」

縄で縛られている以上、避けることも反撃することもできないエースはあっという間に傷だらけになる。

ルフィはそんなエースを見て泣き出しそうになっている。

隼「止めろ

言ったはずだ俺はストーカーなどという下等な人間ではないとな」

殴らせていたのを止めさせて隼人がエースを蹴りあげる。

サボ「おい、」

それを見ていたサボは歯をぎりぎりと食いしばり、隼人を睨む。

サボ「それ以上エースに何かしてみろ

俺はお前を絶対に許さない」

隼「できるものならやってみろ

そいつもサンドバッグにしていいぞ」

隼人の指示で今度はサボがぼこぼこにされる。

そしてとうとうルフィは目から涙を溢れさせてしまう。

エ「サボ…」

隼「お前たちのことを調べさせてもらったんだがな

親のいないやつや家出同然のやつ

しかも貧乏であんなボロアパートに三人暮らしときたもんだ

兄弟ごっこして満足してるお前たちなど俺の敵ではない！

それにお前たちの生活を崩すことなど俺には容易かった」

エースは痛みで意識が朦朧とするなか隼人の最後の言葉だけは聞き逃さなかった。

エ「まさか…さっきの電話…」

サボ「電話？」

いったん殴るのをやめられたサボも息切れしながらエースの言葉を聞く。

エ「さっき電話しただろ？」

サボ「ああ」

エ「そしたらさ…

俺たちが住んでるあのアパートの土地を……







西城グループが買い取ってあのアパートを取り壊すって言われたんだ…」

サボ「え、」

言われた事実に目を見開くサボ。

信じたくはないが西城グループはそれぐらいならやってのける力はある。

悔しそうに目を伏せるエースを嘲笑うかのように高らかな笑い声が倉庫に響く。

隼「もともと建て直しする予定だったあのボロアパートを西城グループが買い取っただけでもありがたいと思え」

また笑いだした隼人の後ろにあった扉が何の前触れもなく爆音とともに吹き飛んだ。