来るときも帰る時も唐突だった隼人の車が走り去るとエースは息を吐いた。

エ「なんだあいつ…」

『ふふっ』

自分の後ろから笑い声が聞こえてきたので振り返ると恋歌が肩を震わせて笑っていた。

エ「え？なんで爆笑!?

なんか変なこと言ったか？」

『いえ、ただ…』

笑いすぎで出てきた涙を拭った恋歌はエースに満面の笑みを向ける。

『エースさんかっこよかったなって』

エ「は？///」

満面の笑みを向けられた上に、かっこよかったなどと言われ真っ赤になるエース。

『あの人にあそこまで言う人はじめて見たわ

いつもは追い払うのに時間がかかるんだけどエースさんのお陰で助かったわ、ありがとう』

エ「いや、俺は何も…」

『それにお父様のことも嬉しかった…

私、本当の両親はもういなくて今のお父様が引き取ってくださったの

だから…』

エ「俺もさ、親父もおふくろもいないんだ」

『え、』

エ「ほんとはルフィとも血は繋がってない

俺は親父の知り合いだったルフィのじいさんに引き取られて面倒みてもらってる

まぁあんまりそのじいさんは家にいないんだけど

ただ俺はルフィもサボもほんとの兄弟だと思ってる

だから血が繋がってなくても家族になれるって俺は思ってんだ」

『エースさん…』

エ「ていうか親父とおふくろだって元は他人なわけだし

なんで親子と兄弟だけだめなんだって話だよな」

『そうだね

あ、それともうひとつ』

エ「ん？」

『私の名前、はじめて呼んでくれたね』

嬉しそうに笑う恋歌に真っ赤になったエースはそれを隠すように勢いよくルフィの保育園の方に足を向けた。

エ「さ、そ、そろそろルフィのやつ迎えに行ってやらねぇとな///」

『うん！』












隼「あいつ…俺にこんなことして楽に生きていけると思うなよ…


俺だ、調べてほしいやつがいる」