返事は向こうも授業中だというのにすぐに返ってきた。

エ「……」

携帯の画面を見たまま固まっているエースから携帯を取り上げてサボからの返事を読む。

サッチ「なになに…

確か明日はエースバイト休みでルフィを学校帰りに迎えに行く予定だったよな？

明日学校終わったら校門の前で待ってろよ

恋歌にお前んとこ行ってもらうように頼んどいてやるからさ


だって」

マ「よかったじゃねぇかよい

明日は一緒に帰れるんだからない」

いいことが書いてあるというのに何を固まることがあるんだとエースを見れば頭を抱えて唸っている。

エ「そんな急に…

俺なんかと一緒にいたら迷惑なんじゃ…

でもなぁ…」

うーうーと一人でぶつぶつ言っているエースを見てマルコとサッチはため息をついた。

マ「今のエースを他校のやつらがみたら確実に襲ってくるない」

サッチ「こんな隙だらけのエース見たことないもんな」









その日の夜。

バイトを終えたエースがアパートに帰ってきた。

エ「ただいま」

ル「エース！おかえり」

出迎えてくれたのはいつも通り元気一杯なルフィだ。

サボ「お疲れー」

呑気にテレビを見ながら顔も向けずに声をかけたのはサボだ。

このアパートは格安物件で、トイレと風呂は別々だがそれ以外に部屋はひとつしかない。

つまり、居間もリビングも寝室も一緒の部屋ということになる。

辛うじて扉を開けてすぐの右手側にはキッチンがあり、サボがテレビを見ている部屋との仕切りがあるがそれを閉めることは滅多にない。

抱きついてきたルフィを抱えながら部屋に入る。

サボ「明日のことなんだけどさ」

いまだに視線をエースに向けないまま唐突にそう話し出す。

エースは一瞬びくっ、となったが耳はしっかりとサボの声を聞きとっている。

サボ「恋歌オッケーだってよ

学校終わったらすぐにエースの学校行くってさ」

エ「ま、マジか？」

サボ「こんなんで嘘つくかよ」

ははっ、と軽く笑いながらエースの方を向いたサボは楽しそうに笑っていた。

サボはエースに抱えられているルフィにこっちに来いと言うと膝の上に乗せる。

サボ「明日はエースとこの前の恋歌っていうお姉ちゃんが迎えに行ってくれるからな」

ル「ほんとか!?

おれ、恋歌ねえちゃんいいにおいがするからすきだ！」

サボ「そっかそっか

これからは何回か恋歌も迎えに行ってくれるようになるかもな？エース」

エ「さぁな…」

何故かサボの掌で踊らされてる感じがしたエースだった。