サッチ「恋歌と言えば俺らの学校でも有名人なんだぞ？

まぁお前は女に興味なかったからしょうがないけど」

エ「有名人？」

サッチはさも自分のことを自慢するかのように胸を張る。

サッチ「まぁ見たことあんならわかると思うけど、俺らの学校には絶対にいないタイプの女の子なわけ

清楚系でここのやつらみたいにケバくないし、お金持ちのお嬢様！

ちょっと謎が多いことでも有名だしな」

エ「謎が多い？」

サッチ「金持ちであることは確かなはずなんだけどどこのお嬢様なのかわからないんだ」

エ「え？でも…」

エースは数日前に見た恋歌のマンションを思い出す。

あれはどう考えても一般人が住めるような建物ではない。

マ「だいたいあの学校はどこの企業の御曹司とかご令嬢様だとかわかってるんだよい

名字とかでな

だけどその恋歌っていう女だけは知っているやつはごく僅かな人数だけらしいよい」

サッチ「謎の多い美少女ってわけだ！」

エ「でも名字でわかるって…」

マ「エースお前恋歌の名字知ってるか？」

エースはマルコにそう言われてはっとなる。

エ「そういえばサボから紹介してもらったときも名前だけだった…」

自分も名字を名乗ってはいなかったが恋歌の名字など気にしたことはなかった。

サッチ「でもま、悪い子じゃないことは確かなんだよ」

マ「俺たちみたいなやつにも偏見とかなしで接してくれるからない」

自分たちが世間から“不良”と呼ばれる部類の人間であることはわかっている。

多くの人間はそれに偏見を持ち、関わり合うことを避ける。

サッチ「俺らは応援する」

エ「え？」

マ「なんてったって親友の初恋だからな

応援しねぇわけにはいかねぇさ」

エ「お前ら…」

ちょっとエースが感動をしているとサッチがエースのポケットから携帯を盗んだ。

サッチ「まぁまずはサボかニーナちゃんにでも連絡して恋歌って子の連絡先をゲットだな」

何か操作をしだしたサッチを止めようと慌てて携帯を取り返そうとするがマルコにがっちり腕を捕まれて動けない。

エ「てめっ、サッチ！

サボに変なこと送りやがったら許さねぇぞ！」

サッチ「協力してあげようとしてんだから任せとけって」

こういうときだけコンビネーションが抜群の二人にエースは内心舌打ちをした。

だがエースが携帯を取り返した時にはすでにサボにメールが送られた後だった。