1話
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長安・斜陽殿
とある日、いつものように玄奘三蔵は三仏神に呼び出されていた。
三「北方天帝使玄奘三蔵、参上致しました」
神「急いてすまない
緊急を要する任務を頼みたいのだ」
挨拶もそこそこにいつものように任務を頼むと言われた三蔵は心の中で面倒ごとはごめんだと舌打ちをする。
三「どのような任務でございましょうか」
神「近頃町外れの森に奇妙な噂が流れているのを知っているか?」
三「町外れの森と言いますと、悟浄や八戒の住んでいる場所ですが…
噂は聞いたことがございません」
先日悟浄と八戒が長安に訪れた際も、特に何も言っていなかった。
神「そうか
実は人間達の間でその町外れの森に”女神”がいるとの噂が流れているのだ」
三「女神…でございますか?」
神「左様
森に入りある場所に辿り着くと、一本の木に満開の桜が広がっているそうだ」
三「桜…ですが、今は秋ですので桜が咲くとは思えませんが…
それにその噂の女神と何の関係が?」
現在は10月に入ったばかりの季節。
どう考えても桜が咲く季節ではない。
神「まぁそう慌てるでない
女神の話はここからだ」
自分たちから急ぎだと呼び出しておいて、勿体ぶる話し方をされ若干イライラし始める三蔵だが、三仏神の前なのでぐっと堪える。
神「その満開の桜の木の下でこの世のものとは思えない程美しい女が眠っているそうだ
その姿を見た人間達が女のことを”女神”と呼んでいるらしい
そこで玄奘三蔵よ
そなたには女の保護を頼みたい」
三「……捕獲ではなく保護でございますか?」
神「そうだ
やってくれるか?」
三「はっ
しかし、この女人禁制の斜陽殿に三仏神様の命であるとは言え、その女神とやらを連れてきてもよろしいのですか?」
神「致し方あるまい」
三「…もうひとつお聞きしてもよろしいですか?」
その女はずっとそこにいるのですか?」
三蔵が不思議に思ったのは、何人もの人間が噂しそれが広まり三仏神の耳に入るまでの間、何人もの人間がその女を目撃しているということだ。
この世のものとは思えない程美しい女と噂されているのであれば、良からぬことを考える輩もいるはずである。
それは妖怪も人も同じ。
良からぬことを考えていない親切心を持ったものが、何日も同じ場所にいる女を見れば声をかけている可能性もある。
神「………近づけぬのだ」
三「は?」
神「誰一人としてその女に近寄れたものがいないのだ
邪な考えを持ち女に近づいた者は桜に阻まれ近づけぬ
邪な考えを持っていない者は純粋に近づけぬのだ」
三「それは一体どういう…」
神「それを探ってきてほしい」
三「………承知致しました…」
丸投げされたような気もするが、命であれば動かざるを得ない。
またしても渋々返事を返すと立ち上がり、足早に退室した。
とある日、いつものように玄奘三蔵は三仏神に呼び出されていた。
三「北方天帝使玄奘三蔵、参上致しました」
神「急いてすまない
緊急を要する任務を頼みたいのだ」
挨拶もそこそこにいつものように任務を頼むと言われた三蔵は心の中で面倒ごとはごめんだと舌打ちをする。
三「どのような任務でございましょうか」
神「近頃町外れの森に奇妙な噂が流れているのを知っているか?」
三「町外れの森と言いますと、悟浄や八戒の住んでいる場所ですが…
噂は聞いたことがございません」
先日悟浄と八戒が長安に訪れた際も、特に何も言っていなかった。
神「そうか
実は人間達の間でその町外れの森に”女神”がいるとの噂が流れているのだ」
三「女神…でございますか?」
神「左様
森に入りある場所に辿り着くと、一本の木に満開の桜が広がっているそうだ」
三「桜…ですが、今は秋ですので桜が咲くとは思えませんが…
それにその噂の女神と何の関係が?」
現在は10月に入ったばかりの季節。
どう考えても桜が咲く季節ではない。
神「まぁそう慌てるでない
女神の話はここからだ」
自分たちから急ぎだと呼び出しておいて、勿体ぶる話し方をされ若干イライラし始める三蔵だが、三仏神の前なのでぐっと堪える。
神「その満開の桜の木の下でこの世のものとは思えない程美しい女が眠っているそうだ
その姿を見た人間達が女のことを”女神”と呼んでいるらしい
そこで玄奘三蔵よ
そなたには女の保護を頼みたい」
三「……捕獲ではなく保護でございますか?」
神「そうだ
やってくれるか?」
三「はっ
しかし、この女人禁制の斜陽殿に三仏神様の命であるとは言え、その女神とやらを連れてきてもよろしいのですか?」
神「致し方あるまい」
三「…もうひとつお聞きしてもよろしいですか?」
その女はずっとそこにいるのですか?」
三蔵が不思議に思ったのは、何人もの人間が噂しそれが広まり三仏神の耳に入るまでの間、何人もの人間がその女を目撃しているということだ。
この世のものとは思えない程美しい女と噂されているのであれば、良からぬことを考える輩もいるはずである。
それは妖怪も人も同じ。
良からぬことを考えていない親切心を持ったものが、何日も同じ場所にいる女を見れば声をかけている可能性もある。
神「………近づけぬのだ」
三「は?」
神「誰一人としてその女に近寄れたものがいないのだ
邪な考えを持ち女に近づいた者は桜に阻まれ近づけぬ
邪な考えを持っていない者は純粋に近づけぬのだ」
三「それは一体どういう…」
神「それを探ってきてほしい」
三「………承知致しました…」
丸投げされたような気もするが、命であれば動かざるを得ない。
またしても渋々返事を返すと立ち上がり、足早に退室した。