1話
夢小説設定
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結果、服ではどうにもできなかったため、椅子に座らせ膝掛けをかけるという方法に落ち着いた。
恋歌の後ろに立ち、男は恋歌の髪を丁寧にタオルで乾かしている。
『ありがとうございます』
八戒「い、いえ…」
少し疲れたように返事を返す。
心なしか笑顔にも力がない。
八戒と悟浄は一仕事終えたとばかりに一息つき、三蔵は何も変わらずお茶のおかわりを要求している。
悟空は…
「なんだ?」
ばたばたしている間も視線に気づいていながら敢えて反応をしめさなかったが、長時間見られていると辛いものがあるため返事をしてしまった。
悟空「そういえばお前の名前聞いてないよな?」
思い出したように唐突に悟空が切り出した。
「俺か?」
悟空「うん」
八戒「ていうか僕ら恋歌さんに自己紹介とかしてないんじゃないですか?」
『え?』
悟空「そういえばそうだな!
俺悟空ってんだ!宜しくな!」
悟浄「俺悟浄
宜しくねー」
八戒「僕は八戒です
宜しくお願いします」
三蔵「……第三十一代目東亜玄奘三蔵だ」
『えっと…
悟空さん、悟浄さん、八戒さん……第三十一代目、東亜玄奘三蔵さん?』
「「「ぷっ」」」
確かめるために恋歌が繰り返し全員の名前を言ったが、三蔵の名前が長すぎてどこで区切ったりして良いかわからなかったため、全て言ってみたのだが他の3人が肩を震わせて笑っているのを見て、間違えたのかとおろおろしている。
『す、すみません…
間違えてますか?』
八戒「いえ、あってますよ
ただ…、ぷっ、」
悟空「三蔵名前なげー!」
悟浄「あー、おっかしー
いーんよ?あいつ名前なげーから三蔵だけで」
三蔵「……お前らうるせぇ」
『いいんですか?』
八戒「ええ
僕たちもそう呼んでますからね」
『三蔵…さん』
三蔵「なんだ」
『いえ…なんでもありません』
三蔵「そうか…」
呼べる名があるのはなんと嬉しいことだろう。
大切な人たちがいたはずなのに名前がわからない。
顔もわからない。
声もわからない。
誰を呼べばいいのか。
わからない。
けど…
『呼んだら返事してくれる方がいるっていいですね』
悟空「そーだろ?」
悟浄「んで、あんたの名前は?」
最初の本題の男の名前を聞き忘れていたことを思い出した悟浄は男の肩に手をかけながら問う。
「俺の名は…」
男が名を告げようと口を開くと、玄関の扉が大きな音を立てて開いた。
開いた、というよりは吹っ飛ばされたと言った方が正しいが。
《お前らさっきはよくも俺たちの仲間を殺してくれたな!!》
扉の外にいたのは先ほど恋歌を狙って集まった妖怪と同じぐらいの数の妖怪。
どうやら先ほどの妖怪たちの仲間らしい。
恋歌は扉が吹っ飛ばされた瞬間、八戒と男に守られるように背に隠される。
悟浄「おいおいおい
こんな時間にこんなくそマナーの悪い訪問の仕方があっかよ!」
悟空「悟浄にだけはマナーどうこうの話はされたくないな」
悟浄「んだとくそ猿!」
三蔵「うるせぇ
さっさとこいつら片付けてこい
俺はもう寝る」
すたすたと客間に向かおうとする三蔵を悟浄が無理矢理引き止める。
悟浄「三蔵様?
この人数倒すのにどれだけ時間がかかると思っていらっしゃるの?」
三蔵「はっ
だから言ってるだろう
俺は寝ると」
つまり人数が多すぎて倒すのに時間がかかるため、眠い三蔵は寝ると言っているのだ。
《お前ら何をごちゃごちゃ言ってやがる!
殺されたくなけりゃそこの女神を俺たちに寄越しな!》
にやにやと下品な目つきで八戒と男の背後にいる恋歌を見る。
『っ…』
ぎゅっ、と男の着物を握り妖怪たちから自分が見えないように隠れようとする。
八戒「大丈夫ですよ
僕たちの後ろにいれば安全ですから」
がたがたと震えている恋歌に八戒が優しく声をかける。
その優しい声に少し震えのおさまった恋歌を男は振り返り片膝をつく。
「恋歌様
お願いが御座います」
『……3つしかないよ?』
「十分です
お願い致します」
『……わかった』
真剣な顔で頼んでくる男に恋歌は紋様のある右手を男に差し出す。
『八戒さん、悟空さん、悟浄さん、三蔵さん』
八戒「はい?」
悟空「ん?」
悟浄「え?」
三蔵「あ?」
『みなさんお家から出ないでください』
八戒「え?」
恋歌の右手をそっと自身の右手で包み込み、3つしかない桜の花弁に男がキスをする。
キスした直後、恋歌の桜の紋様から桜色の光が発せられそれが男を包んだ。
『【木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)】』
恋歌の後ろに立ち、男は恋歌の髪を丁寧にタオルで乾かしている。
『ありがとうございます』
八戒「い、いえ…」
少し疲れたように返事を返す。
心なしか笑顔にも力がない。
八戒と悟浄は一仕事終えたとばかりに一息つき、三蔵は何も変わらずお茶のおかわりを要求している。
悟空は…
「なんだ?」
ばたばたしている間も視線に気づいていながら敢えて反応をしめさなかったが、長時間見られていると辛いものがあるため返事をしてしまった。
悟空「そういえばお前の名前聞いてないよな?」
思い出したように唐突に悟空が切り出した。
「俺か?」
悟空「うん」
八戒「ていうか僕ら恋歌さんに自己紹介とかしてないんじゃないですか?」
『え?』
悟空「そういえばそうだな!
俺悟空ってんだ!宜しくな!」
悟浄「俺悟浄
宜しくねー」
八戒「僕は八戒です
宜しくお願いします」
三蔵「……第三十一代目東亜玄奘三蔵だ」
『えっと…
悟空さん、悟浄さん、八戒さん……第三十一代目、東亜玄奘三蔵さん?』
「「「ぷっ」」」
確かめるために恋歌が繰り返し全員の名前を言ったが、三蔵の名前が長すぎてどこで区切ったりして良いかわからなかったため、全て言ってみたのだが他の3人が肩を震わせて笑っているのを見て、間違えたのかとおろおろしている。
『す、すみません…
間違えてますか?』
八戒「いえ、あってますよ
ただ…、ぷっ、」
悟空「三蔵名前なげー!」
悟浄「あー、おっかしー
いーんよ?あいつ名前なげーから三蔵だけで」
三蔵「……お前らうるせぇ」
『いいんですか?』
八戒「ええ
僕たちもそう呼んでますからね」
『三蔵…さん』
三蔵「なんだ」
『いえ…なんでもありません』
三蔵「そうか…」
呼べる名があるのはなんと嬉しいことだろう。
大切な人たちがいたはずなのに名前がわからない。
顔もわからない。
声もわからない。
誰を呼べばいいのか。
わからない。
けど…
『呼んだら返事してくれる方がいるっていいですね』
悟空「そーだろ?」
悟浄「んで、あんたの名前は?」
最初の本題の男の名前を聞き忘れていたことを思い出した悟浄は男の肩に手をかけながら問う。
「俺の名は…」
男が名を告げようと口を開くと、玄関の扉が大きな音を立てて開いた。
開いた、というよりは吹っ飛ばされたと言った方が正しいが。
《お前らさっきはよくも俺たちの仲間を殺してくれたな!!》
扉の外にいたのは先ほど恋歌を狙って集まった妖怪と同じぐらいの数の妖怪。
どうやら先ほどの妖怪たちの仲間らしい。
恋歌は扉が吹っ飛ばされた瞬間、八戒と男に守られるように背に隠される。
悟浄「おいおいおい
こんな時間にこんなくそマナーの悪い訪問の仕方があっかよ!」
悟空「悟浄にだけはマナーどうこうの話はされたくないな」
悟浄「んだとくそ猿!」
三蔵「うるせぇ
さっさとこいつら片付けてこい
俺はもう寝る」
すたすたと客間に向かおうとする三蔵を悟浄が無理矢理引き止める。
悟浄「三蔵様?
この人数倒すのにどれだけ時間がかかると思っていらっしゃるの?」
三蔵「はっ
だから言ってるだろう
俺は寝ると」
つまり人数が多すぎて倒すのに時間がかかるため、眠い三蔵は寝ると言っているのだ。
《お前ら何をごちゃごちゃ言ってやがる!
殺されたくなけりゃそこの女神を俺たちに寄越しな!》
にやにやと下品な目つきで八戒と男の背後にいる恋歌を見る。
『っ…』
ぎゅっ、と男の着物を握り妖怪たちから自分が見えないように隠れようとする。
八戒「大丈夫ですよ
僕たちの後ろにいれば安全ですから」
がたがたと震えている恋歌に八戒が優しく声をかける。
その優しい声に少し震えのおさまった恋歌を男は振り返り片膝をつく。
「恋歌様
お願いが御座います」
『……3つしかないよ?』
「十分です
お願い致します」
『……わかった』
真剣な顔で頼んでくる男に恋歌は紋様のある右手を男に差し出す。
『八戒さん、悟空さん、悟浄さん、三蔵さん』
八戒「はい?」
悟空「ん?」
悟浄「え?」
三蔵「あ?」
『みなさんお家から出ないでください』
八戒「え?」
恋歌の右手をそっと自身の右手で包み込み、3つしかない桜の花弁に男がキスをする。
キスした直後、恋歌の桜の紋様から桜色の光が発せられそれが男を包んだ。
『【木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)】』