1話
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運良く妖怪の襲撃に遭うことなく悟浄の家に辿り着いた。
悟空「腹減ったー
なぁ悟浄なんかねぇのー?」
悟浄「おめぇが出ていく前に全部食っちまったんだろうが!!」
三蔵「うるせぇんだよ!
何時だと思ってやがる!」
部屋に入るなり取っ組み合いの喧嘩をし始める悟空と悟浄に三蔵のハリセンが振り下ろされる。
八戒「いつもこんな感じなので気にしないでくださいね
大したおもてなしもできませんが、座ってください」
手を引かれ椅子まで案内されちょこんと座らされる。
「俺はいい」
男にも席を勧めたのだが、恋歌の背後に立ったまま座ろうとしない。
八戒「お茶でいいですか?」
『あ、はい』
ことりと恋歌の前に温かいお茶が置かれた。
『ありがとうございます』
ふーふーとお茶に息を吹きかけて少し冷ましてから一口飲む。
『美味しいです…』
八戒「それはよかったです」
三蔵「八戒、俺にもくれ」
八戒「はいはい」
三蔵も空いている席に座り、煙草に火をつける。
三蔵「明日お前は俺と一緒に長安の斜陽殿まで来てもらう」
『斜陽殿…ですか?』
三蔵「ああ…
そこに行って三仏神に謁見し、指示を仰ぐ」
『そう…ですか…』
ぎゅっ、と何かを耐えるように着物を握る。
「……おい
風呂は借りれるか?」
八戒「え?え、ええ
着替えは僕か悟浄のになってしまいますけど…」
「恋歌様
考えるのは明日にしましょう
何かあればお守り致します
今日はゆっくりお休みください」
『でも…』
「大丈夫です
服を借りても良いか?」
八戒「はい、持ってきますね」
八戒が一度自室に戻り、バスタオルと自身の黒の長袖Tシャツとズボンを持ってきて男に渡す。
八戒「お風呂はこっちです
ゆっくりしてきてください」
『ありがとうございます』
パタンと風呂のドアを閉めれば、しゅるしゅると着物を脱ぐ音が微かに聞こえた。
「……話がある」
八戒「でしょうね」
恋歌が風呂に入っている間大事な話があると4人に伝える。
三蔵「それはあいつが俺たちのことに怯えているのと関係があるのか?」
「ああ…
あの方は記憶こそないが過去のせいで男が嫌い…というより怖いのだ」
悟浄「なんだそりゃ」
「記憶がないから何故怖いのか、何に怯えているのかわかっていない
ただ身体が憶えているのだろう」
三蔵「そういやあの女…悟空と同じ金晴眼だったな」
悟空「そういえばそうだな
俺と同じだった」
恋歌の目は悟空と同じ金晴眼。
凶事の象徴とされる異端なる存在。
「そうだな
あの方は…神により造られた存在
神々の寵妃だった方だ」
三蔵「なっ…!
神の寵妃だと!?」
恋歌を連れてくるように命を出したのは三仏神だが、三蔵は何も聞かされていない。
八戒「造られた、ということはどういうことですか?」
「見ての通り恋歌様は美しい」
悟浄「まぁな」
「だが、あの美しさは造られたものだ
ありとあらゆる美の女神の融合体、とでも言えばいいのか」
八戒「そんなことって…」
「美しい女を側に置きたい、抱きたいと思うのは人間であろうと妖怪であろうと、神であろうと変わりはしない
その欲求を満たしたいが故に神々は恋歌様を造った
くだらない快楽や優越感の為に」
悟浄「じゃあまさかあの子が怯えてる理由って…」
「今まで数え切れないほどの陵辱を受けてきた
そのせいで恋歌様は誰も信じられず、誰にも心を許さなかった
500年程前出逢った男たちを除いては」
三蔵「500年前って言や悟空が閉じ込められていたと言われている期間と一致する」
悟空「そうだっけ?
それってどれぐらい前なんだ?」
500年という月日がどれほどのものかわからない悟空は首を傾げている。
三蔵はこの500年という年数がたまたま一致したようには思えなかった。
「かつて寵妃であった頃、身体も心もぼろぼろだった恋歌様に逃げようと言った男たちがいた
恋歌様はその男たちを信じた
そして全てが終わったら下界の桜の下で会おうと約束をしたんだ
しかし…男たちはいつまで待っても来なかった
男たちは全員…死んだ
恋歌様はその事件にも関わったとされ天界での記憶を全て封じられ、恐怖のみ残された
記憶をなくし約束すら忘れてしまったが、桜の下で待ち続けるのはやめなかった
あの桜も恋歌様の力で咲いていたもの
500年間ずっと待ち続けていたんだ」
悟空「結局そいつは来たのか?」
「いや…」
悟空「そっか…」
悟空のその言葉を最後に沈黙が続く。
恋歌のことを同情しているのか、可哀想に思っているのかどうかはわからない。
ただ男にわかるのはひとつだけ。
「(こいつらが来て恋歌様は目を覚まされた
もしかしたら…)」
希望を持ちたい。
主人が次こそは幸せに過ごせるようにと。
悟空「腹減ったー
なぁ悟浄なんかねぇのー?」
悟浄「おめぇが出ていく前に全部食っちまったんだろうが!!」
三蔵「うるせぇんだよ!
何時だと思ってやがる!」
部屋に入るなり取っ組み合いの喧嘩をし始める悟空と悟浄に三蔵のハリセンが振り下ろされる。
八戒「いつもこんな感じなので気にしないでくださいね
大したおもてなしもできませんが、座ってください」
手を引かれ椅子まで案内されちょこんと座らされる。
「俺はいい」
男にも席を勧めたのだが、恋歌の背後に立ったまま座ろうとしない。
八戒「お茶でいいですか?」
『あ、はい』
ことりと恋歌の前に温かいお茶が置かれた。
『ありがとうございます』
ふーふーとお茶に息を吹きかけて少し冷ましてから一口飲む。
『美味しいです…』
八戒「それはよかったです」
三蔵「八戒、俺にもくれ」
八戒「はいはい」
三蔵も空いている席に座り、煙草に火をつける。
三蔵「明日お前は俺と一緒に長安の斜陽殿まで来てもらう」
『斜陽殿…ですか?』
三蔵「ああ…
そこに行って三仏神に謁見し、指示を仰ぐ」
『そう…ですか…』
ぎゅっ、と何かを耐えるように着物を握る。
「……おい
風呂は借りれるか?」
八戒「え?え、ええ
着替えは僕か悟浄のになってしまいますけど…」
「恋歌様
考えるのは明日にしましょう
何かあればお守り致します
今日はゆっくりお休みください」
『でも…』
「大丈夫です
服を借りても良いか?」
八戒「はい、持ってきますね」
八戒が一度自室に戻り、バスタオルと自身の黒の長袖Tシャツとズボンを持ってきて男に渡す。
八戒「お風呂はこっちです
ゆっくりしてきてください」
『ありがとうございます』
パタンと風呂のドアを閉めれば、しゅるしゅると着物を脱ぐ音が微かに聞こえた。
「……話がある」
八戒「でしょうね」
恋歌が風呂に入っている間大事な話があると4人に伝える。
三蔵「それはあいつが俺たちのことに怯えているのと関係があるのか?」
「ああ…
あの方は記憶こそないが過去のせいで男が嫌い…というより怖いのだ」
悟浄「なんだそりゃ」
「記憶がないから何故怖いのか、何に怯えているのかわかっていない
ただ身体が憶えているのだろう」
三蔵「そういやあの女…悟空と同じ金晴眼だったな」
悟空「そういえばそうだな
俺と同じだった」
恋歌の目は悟空と同じ金晴眼。
凶事の象徴とされる異端なる存在。
「そうだな
あの方は…神により造られた存在
神々の寵妃だった方だ」
三蔵「なっ…!
神の寵妃だと!?」
恋歌を連れてくるように命を出したのは三仏神だが、三蔵は何も聞かされていない。
八戒「造られた、ということはどういうことですか?」
「見ての通り恋歌様は美しい」
悟浄「まぁな」
「だが、あの美しさは造られたものだ
ありとあらゆる美の女神の融合体、とでも言えばいいのか」
八戒「そんなことって…」
「美しい女を側に置きたい、抱きたいと思うのは人間であろうと妖怪であろうと、神であろうと変わりはしない
その欲求を満たしたいが故に神々は恋歌様を造った
くだらない快楽や優越感の為に」
悟浄「じゃあまさかあの子が怯えてる理由って…」
「今まで数え切れないほどの陵辱を受けてきた
そのせいで恋歌様は誰も信じられず、誰にも心を許さなかった
500年程前出逢った男たちを除いては」
三蔵「500年前って言や悟空が閉じ込められていたと言われている期間と一致する」
悟空「そうだっけ?
それってどれぐらい前なんだ?」
500年という月日がどれほどのものかわからない悟空は首を傾げている。
三蔵はこの500年という年数がたまたま一致したようには思えなかった。
「かつて寵妃であった頃、身体も心もぼろぼろだった恋歌様に逃げようと言った男たちがいた
恋歌様はその男たちを信じた
そして全てが終わったら下界の桜の下で会おうと約束をしたんだ
しかし…男たちはいつまで待っても来なかった
男たちは全員…死んだ
恋歌様はその事件にも関わったとされ天界での記憶を全て封じられ、恐怖のみ残された
記憶をなくし約束すら忘れてしまったが、桜の下で待ち続けるのはやめなかった
あの桜も恋歌様の力で咲いていたもの
500年間ずっと待ち続けていたんだ」
悟空「結局そいつは来たのか?」
「いや…」
悟空「そっか…」
悟空のその言葉を最後に沈黙が続く。
恋歌のことを同情しているのか、可哀想に思っているのかどうかはわからない。
ただ男にわかるのはひとつだけ。
「(こいつらが来て恋歌様は目を覚まされた
もしかしたら…)」
希望を持ちたい。
主人が次こそは幸せに過ごせるようにと。