村「ちょっとちょっとフォンヴォルテール卿

そんなに睨んだら女の人なんだし怯えるよ？」

グ「…失礼」

睨んでいたつもりはないグウェンダルなのだが、目つきが悪いことは知っているためすっ、と視線を逸らした。

村「さてと、とりあえず僕がここに来るまでに聞いた話をみんなにするね」

村田が話したのは恋歌の名前、自分たちとはまた違う異世界から来たこと、話せる言葉は日本語と英語、歳は19、もともと髪は金で瞳は桜色、この世界に来たら双黒になっていたことなどこの世界に来た理由をうまく説明せずにその他のことを話した。

ギ「眞魔国語がお話になれないということは我々との意思疎通は難しいのですね」

村「そうだね

でも僕は日本語も英語も話せるし、渋谷は自分の言いたいことは聞き取ってもらえないかもだけど恋歌さんの言葉はわかる

ウェラー卿も英語だったらちょっとはわかるんだよね？」

コ「はい」

村「今の所三人いればなんとかなるよ」

グ「しかしいくら異世界の人間とはいえ素性の知れぬ者を血盟城にとどまらせるわけにはいかない」

村「でも彼女は眞王が連れてきたんだ

行くあてもないし放り出すのはダメなんじゃない？

それに我らが魔王陛下はそういうの嫌いだしね」

渋「あったりまえだろ？

右も左もわからない世界でひとりぼっちにさせるわけにはいかない

帰れるまではここに住んでもらおう」

そう言いだした魔王に頭を抱える摂政だがこうなったら魔王の意見は変わらないと知っているため渋々ながらも頷いた。











『さっきの人はなにか怒っていたの？』

執務室を後にして、仕事があるからと捕まったユーリ、その護衛のコンラッドを置いて恋歌に与えられた部屋へ村田とヨザックが案内をしている。

村「《彼はああいう顔なんだよ

それに彼は意外かもしれないけど可愛いものが大好きだからね

恋歌さんのことを睨んだりなんか絶対しないよ》」

『可愛いもの好き？

じゃあ先ほどの魔王の方が可愛いしあなたも可愛いから気に入られてるのね』

村「……どうしよう、ヨザック」

ヨ「はい？」

村「たぶん恋歌さんって渋谷並みの天然だよ」

ヨ「……それはまた

厄介なお方が来られたもんだ」

『？？』