恋歌は3人にしてほしいことを指示して一息ついてから立ち上がる。

もうすでに全員集まったようで200人近い人数だ。

渋「本当に一人で大丈夫？」

『大丈夫だよ

わたしのことは気にしないで3人とも気をつけてね』

ヴ「この僕がついてるんだ

安心しろ」

胸を張りながら言うヴォルフラムに頼りにしてると返すと、恋歌は3人に行ってと告げた。

頷いた3人は来た道をできる限り早く走っていった。

『さてと、私のすべきことは…』

3人の背中を見送った後恋歌は森から出た。

「何者だ！！」

『えーと、ネックレスを返してもらいに来ました』

すぐに恋歌に気づいた男が声を荒げるが恋歌は臆する様子もなく歩く。

その時にヨザックに目配せするのも忘れない。

「お前は昼間の…」

『こんばんは

ネックレス返してもらえますか？』

恋歌のネックレスを持っている男は昼間の女だと気付き驚いた表情をしている。

「へぇーマジで上玉じゃねぇか

こんなのところまで一人で来るなんて世間知らずなお嬢様ってとこか」

質のいい生地の服を着ている恋歌をどこかの令嬢だと思ったらしい。

にやにやする男たちは恋歌を品定めするようにじろじろと眺めている。

『返していただけないのならそれ相応の覚悟をしてくださいね？』

「はぁ？

覚悟だと？そいつはどういう意味…」

恋歌の言っている意味がわからず一人の男が手を伸ばした。

そしてその手が恋歌に届く瞬間、男はいきなり倒れた。

『だから…こういうことですよ』

「て、てめぇ！なにしやがった！」

恋歌の攻撃が見えなかった男たちはそれぞれの武器を構える。

見たことのない武器を構えている者もいたが、使い手が大したことないから大丈夫だろうと判断した。

『できれば手荒なことはしたくないので大人しく縛られてもらえると嬉しいんですけど』

「相手は1人だ！

構うことはねぇ！捕まえろ！」

『まぁ、そんな簡単に捕まってはくれませんよね』

数十人が束になって襲いかかってくるがそれを恋歌は軽く避け、確実に急所に一発ずつ入れていく。

気を失った男たちは自分に何が起こったのかわかっていないだろう。

『大人しくしてもらいますよ

怪我をあまりさせたくないので』

指輪から一本刀を出していつもとは逆に持ち替える。

当たっても峰打になるように。

「なめやがって…

おい！さっきの男を人質に…」

恋歌が只者ではないと判断した一人の男がヨザックを人質にしようと先ほどまでいた場所を見る。

だが、そこには誰もいなかった。

「ど、どこに…」

渋「こっちだよ！」

近くを見渡してもいないことに焦っていたが、声のする方に視線を向けると昼間の美形3人組が捕らえた男を救出していた。