大声が響き渡ったことにより王佐以外の3人も意識を取り戻した。

「ユーリ、風邪をひいてしまいます

先ずはお身体を拭いて着替えてください」

「げーかもこちらどーぞー」

2人の護衛が自分の主にタオルをさっと巻いて優しく拭いてやる。

「あ、ありがとコンラッド

じゃっ、じゃなくって！！

どーすんだよ！全然関係ない人巻き込んじゃって！」

「まぁまぁ渋谷落ち着きなよ

起きてしまったことはやり直せない

問題は何故彼女がここにいるかだ」

「どういうことだ？」

「でも説明するより先に彼女にもタオル持ってきてあげてよ

あと着替えの服もね

服は頼んだよ、ヨザック」

「了解です、猊下」









「えーと、と、とりあえず

あ、あの大丈夫ですか？」

きょろきょろと辺りを見回していた女の前にユーリと呼ばれた男の子が手を差し出す。

『？』

「あー、渋谷

たぶん言葉が通じないんだよ

ここは眞魔国

眞魔国語で話してる僕らの言葉がわかるわけない」

「あ、そっか」

ユーリの手を見つめたまま首を傾げている女は、しばらく考えた後その手を握った。

「わかってくれたみたいだ」

ぐいっ、と引き上げて噴水から出してやると水の染み込んだ服からぽたぽたと水滴が落ちる。

「ユーリ！！お前というやつはそんなどこの馬の骨とも知らない女と手を握り合って！！

この浮気者！！」

「わー！これは違うだろ！

巻き込んだのはこっちなんだからちゃんと誠心誠意もてなさないとだな」

「なんか言葉の使い方間違ってないかい？」

ユーリから手を離した女は自分の服をぎゅっ、っとしぼって水気をとっている。

「よろしければこちらをお使いください」

すっ、とコンラッドが新しいタオルを差し出して女に手渡す。

ぺこっ、とお辞儀をされたコンラッドはいつもの爽やかな笑みでどういたしまして、と返した。

「へーかー、げーかー

今着ていらっしゃるのと同じような服見つけてきましたー」

「さすがはヨザック

仕事が早いね

さ、僕らも着替えに行こう」