一度解散をして恋歌、ユーリ、村田、コンラッド、ヨザックの5人で門の前に集まり眞王廟に向かうことになった。

ヨザックが手綱を握る馬車に乗り込み、眞王廟へと出発する。

渋「なぁーんか…

気分が乗らないなー…」

村「何言ってるんだい？

君は何もしないじゃないか」

頬杖をついて窓の外を眺めながらため息をつくユーリ。

渋「だってさー

なんで急に決闘になるわけ？

何が原因でヴォルフがあんなに怒ったのかもわかんねーし」

村「……たぶん君には一生わからないと思うよ」

相変わらず鈍いユーリに苦笑いしながら、ユーリのように外を眺めている恋歌に話しかける。

村「恋歌さんは決闘を申し込まれた意味わかってるの？」

『まぁある程度は…

でもそんな理由はどうでもいいの』

村「どうでもいい？」

『うん

わたしはあの人に言いたいことがあるから受けたまでよ

言葉が通じなかったし、そういうときは拳で語れ！って言うじゃない？』

村「……拳で語るのはおそらくほとんどの人が男だと思うよ」

コ「恋歌さん

お手柔らかにお願いします

あいつも反省してると思いますし」

コンラッドが軽く頭を下げたのを横目で見たが、どうかしらねとだけ返事を返してまた窓の外に視線を向けてしまった。

渋「（すっげー嫌な予感しかしないんですけど！？）」








村田が人払いをした眞王廟の裏に行くとそこにはすでにヴォルフラムがいた。

村「やあ！早いねフォンビーレフェルト卿」

ヴ「…ちゃんと逃げずに来たようだな」

『ええ、逃げる理由もないしね』

ヴ「やっと僕たちの言葉が話せるようになったのか」

『そりゃいきなり連れてこられた世界の言葉なんか知ってるわけないでしょ？

あなただってわたしの世界の言葉話せないじゃない』

一触即発という言葉しかでてこないような雰囲気の中恋歌は村田にヴォルフラムはユーリに引っ張られて無理やり目線をそらされた。

村「あのさ、しないとは思うけどその…致命傷とかは…」

こそっと耳打ちをするように小声で話す村田だが、恋歌は普通の声で話す。

『わかってるよ

怪我はさせない、約束する』

村「ならいいんだ」

『そのかわりわたしがあの子に何をしても手出ししないって約束してくれる？』

村「うーん…

僕は戦いには参加できないし君を止められるとも思ってないから手出しはしないけど渋谷はどうかな…」

『ユーリがなにかしようとしたら止めてくれるだけでいいわ』

村「善処はするよ」