?別れ際に”無茶はするなと”言われ、恋歌は標的が倒しやすい場所に来るまで、陸で待機をすることにした。

『(やっぱりルフィたちも来てるか)』

目の前をサウザンドサニー号が通過し、その他にも最悪の世代、今まで戦った事のある海賊たちの船が前を通過していく。

『(おお…)』

突き上げる海流(ノックアップストリーム)に乗り、海賊王のお宝さがしの舞台はシャボンに入った島へ。

上陸した海賊たちが争いはじめ、バギーが一番にお宝を手に入れているのが映像電伝虫に映る。

バギーがすべての海賊に狙われ始めた直後、島に向かって１隻のガレオン船が島に投げ込まれた。

『(出てきた！)』

島のシャボンが割れた直後、崩れる島から海賊たちや海賊船が落ちてくる。

一瞬で桜姫に変わった恋歌は、落ちてくる海賊たちで能力者を優先的に道化ノ帯(クラウンベルト)で、海に落ちないように救出していく。

ル「え！？なんでここに！？」

急に恋歌が現れた事に驚いてはいるが、どこか嬉しそうな表情をしているルフィに、”説明は後で”と伝え、かろうじて残った島の一部に次々と能力者を下ろした。

ル「助かった！ありがとう！」

『ううん、それよりみんなを連れてここから離れて欲しいの』

ル「なんでだ？

今宝探し中なんだ」

ゾ「ところでお前なんでここにいる」

腕を組んで首を傾げるルフィに、自力で助かったゾロ。

周りはなぜこんなところに桜姫がいるのかと、遠巻きに警戒をしている。

だが、最悪の世代たちはほぼ能力者で、先ほど恋歌に助けられた事もあり、少し戸惑っている。

『あのね、今ここに…「ぎゃあああああ！！」』

逃げて欲しい理由を説明しようとすると、聞きなれた声で叫び声が聞こえたため、話を中断して叫び声の方に一斉に視線を向ける。

ル「ウソップ！！」

ウ「ぎゃああああ…あ？」

『なにあの箱』

ウ「え？恋歌…？」

ウソップの叫び声に一番に反応した恋歌が、襲われかけているウソップを救い出した。

バ「……」

『はい』

腰のベルトを持つようにウソップを持っていた恋歌は、ルフィとゾロの前にウソップを下ろした。

先ほどまでウソップが持っていた古い宝箱は、黙って成り行きを見守っているバレットの手の中へ。

『わたしね、あの人を倒さなくちゃいけないの』

ル「あいつ誰だ？

強そうだけど」

『…その話は長くなるからまた後でね

けど、強いらしいから、みんなを巻き込みたくないの』

ル「…ああ、あいつ、かなり強ぇな」

ロー「恋歌！！」

ル「トラ男！！」

一先ず離れて欲しいと伝えるが、強敵を前に嬉しそうな顔をしているルフィを見て、困ったと笑っていると、ローが走り寄ってきた。

ロー「あいつが…標的か」

『はい

逃げる逃げないは自由です、ですが…』

バ「貴様が…今の最強か…」

にたぁと笑うバレットに恋歌が一歩前に出る。

『巻き込まない自信はありません』

「「「！！」」」

どんっ、と勢いをつけて突っ込んでくるバレットの拳を片手で受け止めたが、地面が抉れ風圧で恋歌の近くにいた海賊たちが吹き飛ばされる。

バ「がっかりしなくて済みそうだ！！」

『……』

笑いながら連続で拳を打ち込んでくるが、すべて避け、いなすが、周りの海賊たちがそれに巻き込まれてどんどんと飛ばされていく。

バ「なぜ反撃してこねぇ！世界最強！！」

自ら攻撃をしてこない恋歌に、何かを感じ取ったバレットは、またにたぁと不気味な笑みを浮かべた。

バ「そうか…

弱者を巻き込まないためか！！

その甘さを取り除いてやる！！」

『！！』

恋歌が周りの被害を気にしているといことに気づいたバレットは、一番近くにいた海賊に拳を振り上げる。