一度船に戻り、ガープからの依頼を白ひげに伝えると、いつもは二つ返事で送り出してくれるが、今回は無言で酒を煽っている。

白「ダグラス・バレット…

懐かしい名前だ

お前の実力も十分理解した上で忠告する

今回は嫌な予感がする

おれはあまりおすすめしねぇ」

『そう、なんだ…』

白ひげは恋歌の実力をわかった上で、ガープからの依頼を受ける事を渋っている。

白「あいつに恋歌が負ける事はねぇとは思うが…

周りは海賊だらけ、依頼主が海軍って事はその島も安全とは言えねぇだろ

お前は懸賞金100億の首

下手な宝より価値がある」

『うん…』

白ひげに止められるのであれば仕方ないかと落ち込んだ表情をしていると、ぽん、と頭の上に大きな手が置かれた。

白「そんな顔するな

まずい事態になったら逃げる事にすべての力を使え

いいな」

『うん、ありがとう』

結局恋歌の落ち込んだ表情に弱い白ひげは、いざという時は恋歌と逃げる事を約束し、”気を付けて行け”と背中を押した。




マ「いいのかよい

相手はあのバレットだろ？」

恋歌が島に向かった後、白ひげに呼ばれたマルコは、恋歌がバレットを倒すために船を空けた事を伝えられた。

白「あいつはバレットには負けねぇよ

ただ…おれは他の事が心配でな」

マ「他の事？」

白「あの戦争の時…エースとサボを奪還するだけじゃなく、自分以外すべての海賊を守り切った

今回も麦わらも含め多くの海賊が集まるはずだ

あいつが依頼を優先して、それを見捨てられるわけがねぇ」

マ「なるほどない…」

万が一依頼途中に知り合いや大事な人間に何かあった時、ただ逃げる事だけを選択できる性格だとも思っていない。

白「理解しすぎてるってのも、厄介な話だ」

マ「それが恋歌の良い所で、悪い所でもあるよい

もしそうなった時は…お説教タイムだ」

白「グララララララ！！

説教はお前に任せるさ！」




いつも通り白ひげの船から出発し、ガープから貰った地図でたどり着いたのはデルタ島。

『(ここが…お祭りの開催地)』

すでにかなりの人数の海賊が上陸しており、出店や何かのコンテストも開催され、祭りの準備が進んでいる。

『(たしかに…強い人がいる、けど…

ここで急に戦えば他の海賊たちも巻き込んじゃうよね…)』

地下から強い覇気を持った人間の気配を感じるが、これだけの人数がいる土地で戦うとなると、場所を移動する必要があるかと考えるが、この島の地理がわからないため、ひとまず島を回る事にした。

『(ちょっとお腹すいたな…)』

美味しそうな匂いで島が満たされている為、先ほどまで特にお腹が空いていたというわけでもないのにお腹が鳴った。

途中で魚人がやっているたこ焼きの屋台があったため、たこ焼きを購入して近くの椅子に腰かけた。

『(こうやって見ると海賊っていっぱいいるんだなぁ…)』

見渡す限り海賊であふれかえっている光景はなかなか見る事はできないだろう。