23話
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しばらくしてから焦凍の背中から手を離した恋歌は、また小さく謝りながら肩を押して離れる。
焦「もういいのか?」
まだ少しだけ涙が残っている目を親指で拭ってやり、無理をしていないか確かめるために顔色を見る。
『うん・・・
なんか私・・・なにかある度に泣いてる気がする・・・』
鼻をすすりながらへらっと笑う恋歌は、無理して作った笑顔ではないが、少しは元気が出たというのは伝わってきた。
焦「気にすんな
今はこんなことぐらいしか力になってやれねぇから・・・」
一緒に戦う事も、守ってやることもできない。
できるのは泣いている恋歌を慰めることぐらい。
『十分すぎるよ・・・
いつもありがとう』
焦「・・・ああ
怪我は大丈夫なのか?」
先ほどの腕が使えなくなる話や、死にそうになった話を聞いてそんなに酷い怪我なのかと心配にはなったが、最初に会った時にはゆっくりではあるが歩けていた。
包帯も思ったより少ない。
『・・・腕が使えなくなるって言った怪我は治してもらったんだ
今回助けた子がそういう個性の持ち主でね
戦闘中に治してもらったからそれはもう大丈夫
今のこの怪我は治してもらった後にできた怪我
膝の靭帯損傷に指先から肩にかけて骨にヒビ、右肩の脱臼が残ってる』
焦「そ、れは・・・治んのか?」
『明日骨のヒビと脱臼をリカバリーガールに治癒してもらうつもり
靭帯の方はさっき治癒してもらったから歩けるようになったの』
焦「そう、か・・・」
命にかかわるような怪我でないことを喜ぶべきか、怪我を一度治してもらったのにまた怪我をしたことを心配すべきか。
『膝と肩は完治までに1か月かかるんだって
それまで膝に負担がかかるようなことと、右手で刀を抜いちゃいけないって言われた』
焦「じゃあできるだけ恋歌の傍にいるようにする
恋歌も何かあれば呼べよ」
先生と生徒という立場上ずっと傍にいる事はできない。
けれどその気遣いが嬉しかったのでちゃんと返事は笑顔で返した。
『そういえばどうして焦凍君ここにいるの?』
連絡をもらったと言っていたが、基本的には怪我人の搬送先も極秘情報のはずだ。
焦「・・・婚約者、だからな」
『ん?』
焦「この間しただろ、婚約」
『し、たね・・・///』
お見合い騒動を治めるための形だけとは言え、改めて言われると恥ずかしいものがある。
焦「それでくそ親父に連絡が入った
本当なら俺に直接連絡が来るはずなんだが、俺はまだ学生だからってあいつを通したらしい」
『な、なるほど』
エンデヴァーにも迷惑がかかったのかと思うとさらに申し訳なくなったが、正直焦凍が来てくれて嬉しかったのでこの関係も悪くないなと思ってしまう。
焦「緑谷と切島、蛙吹、麗日も無事なのか?」
『緑谷君は怪我はないはず
切島君は全身の裂傷と打撲が酷いけど命に別条はないって
蛙吹さんと麗日さんについては聞いてないけど、病院に搬送されてないってことは大丈夫なんだと思う』
焦「そうか・・・
みんなも無事でよかった」
『うん』
しばらく他愛のない話をしていると、こんこんと控えめに扉を叩く音が聞こえた。
緑「恋歌先生・・・大丈夫で・・・って轟君!?」
焦「おう」
そろーっと扉を開けたのはぼろぼろのコスチュームを着た緑谷だった。
ここにいるはずのない焦凍がいる事に驚いている顔は泣いたのか目が真っ赤である。
緑「どうして轟君がここに?」
焦「一応恋歌の婚約者っつー立場だからな
連絡きた」
緑「な、なるほど」
緑谷も丸椅子を持ってきて、焦凍の横に座って焦凍がここにいる理由に納得した様子。
『・・・大丈夫?』
短い期間だったとはいえインターン先のヒーローが殉職したのだ。
目が赤いということは泣いたのだろうと、心配して声をかけるが悲しそうに”はい”と小さく返事をしただけだった。
焦「・・・俺は何が起こったのか全くわからねぇけど、聞けることなら聞くからな
友だちだろ」
緑「・・・うん
ありがとう」
また少し涙ぐんだ緑谷は、涙が落ちる前に急いで目元をごしごしと拭う。
緑「恋歌先生の怪我は大丈夫かなって見に来たんです
どうですか?」
無理やり話を変えて、ここに来た理由を話す。
『私も命にかかわるような怪我はないから大丈夫
ただ膝と肩が完治するのに1か月かかるからしばらくは大人しくしてないといけないかな』
あはは、と笑う恋歌の目元も若干赤いがそれに気づかないふりをして、緑谷は安心したように息をつく。
緑「あ、もしかして膝は僕のせいじゃ・・・
肩も・・・」
『違うよ』
緑「で、でも・・・!」
たしかに緑谷に蹴りあげてもらう時とくないを弾くときに痛めたのだが、それは緑谷が気にすることではない。
『即席だったけどうまくいったよね
また練習しよう!』
緑谷が気にしない様に明るく言えば、今度は少し笑って返事をくれた。
焦「・・・恋歌と合体技か
どんな技なんだ?」
緑「え、っと・・・僕が恋歌先生を蹴り飛ばして・・・
この間練習してたくない投げて恋歌先生が後ろから、僕が前から敵に攻撃するんだ」
焦「へぇ・・・
強そうだな」
緑「今回はそれが最後敵のボスに当てれて勝ったんだ!」
焦「そうか」
いつもの調子を取り戻した様子の緑谷に焦凍も安心したように笑う。
焦「俺も恋歌と合体技とかしてぇな」
『出来ると思うよ
ほら、ヒーロー殺しの時とか』
焦「あれは俺は後方支援だったろ」
『すっごく動きやすかったんだよ、あの時
それに私の戦闘スタイル的に私が前衛になっちゃうんじゃないかな?』
焦「・・・緑谷、なにかないか」
緑「ええ!?僕!?」
出来る限り恋歌は前衛から外したい焦凍は、いつもいろいろなヒーローを見て分析をしている緑谷に案を求める。
緑「たしかに恋歌先生の戦闘スタイル的に前衛にはなってしまうけど、轟君の個性は前衛にも後衛にもなれる
それに夏休みにした女子対男子の時に恋歌先生は後方支援もしていた
ということは轟君が前衛に出ても後方支援できるんじゃないかな
けど恋歌先生の戦闘能力を後衛に持ってくるのはもったいない気が・・・」
ぶつぶつと考え出した緑谷に恋歌と焦凍は顔を見合わせて微笑みあう。
出て行ったのは今朝だが、日常に帰ってきた。
無事に帰ってこれたと思わせてくれた。
焦「もういいのか?」
まだ少しだけ涙が残っている目を親指で拭ってやり、無理をしていないか確かめるために顔色を見る。
『うん・・・
なんか私・・・なにかある度に泣いてる気がする・・・』
鼻をすすりながらへらっと笑う恋歌は、無理して作った笑顔ではないが、少しは元気が出たというのは伝わってきた。
焦「気にすんな
今はこんなことぐらいしか力になってやれねぇから・・・」
一緒に戦う事も、守ってやることもできない。
できるのは泣いている恋歌を慰めることぐらい。
『十分すぎるよ・・・
いつもありがとう』
焦「・・・ああ
怪我は大丈夫なのか?」
先ほどの腕が使えなくなる話や、死にそうになった話を聞いてそんなに酷い怪我なのかと心配にはなったが、最初に会った時にはゆっくりではあるが歩けていた。
包帯も思ったより少ない。
『・・・腕が使えなくなるって言った怪我は治してもらったんだ
今回助けた子がそういう個性の持ち主でね
戦闘中に治してもらったからそれはもう大丈夫
今のこの怪我は治してもらった後にできた怪我
膝の靭帯損傷に指先から肩にかけて骨にヒビ、右肩の脱臼が残ってる』
焦「そ、れは・・・治んのか?」
『明日骨のヒビと脱臼をリカバリーガールに治癒してもらうつもり
靭帯の方はさっき治癒してもらったから歩けるようになったの』
焦「そう、か・・・」
命にかかわるような怪我でないことを喜ぶべきか、怪我を一度治してもらったのにまた怪我をしたことを心配すべきか。
『膝と肩は完治までに1か月かかるんだって
それまで膝に負担がかかるようなことと、右手で刀を抜いちゃいけないって言われた』
焦「じゃあできるだけ恋歌の傍にいるようにする
恋歌も何かあれば呼べよ」
先生と生徒という立場上ずっと傍にいる事はできない。
けれどその気遣いが嬉しかったのでちゃんと返事は笑顔で返した。
『そういえばどうして焦凍君ここにいるの?』
連絡をもらったと言っていたが、基本的には怪我人の搬送先も極秘情報のはずだ。
焦「・・・婚約者、だからな」
『ん?』
焦「この間しただろ、婚約」
『し、たね・・・///』
お見合い騒動を治めるための形だけとは言え、改めて言われると恥ずかしいものがある。
焦「それでくそ親父に連絡が入った
本当なら俺に直接連絡が来るはずなんだが、俺はまだ学生だからってあいつを通したらしい」
『な、なるほど』
エンデヴァーにも迷惑がかかったのかと思うとさらに申し訳なくなったが、正直焦凍が来てくれて嬉しかったのでこの関係も悪くないなと思ってしまう。
焦「緑谷と切島、蛙吹、麗日も無事なのか?」
『緑谷君は怪我はないはず
切島君は全身の裂傷と打撲が酷いけど命に別条はないって
蛙吹さんと麗日さんについては聞いてないけど、病院に搬送されてないってことは大丈夫なんだと思う』
焦「そうか・・・
みんなも無事でよかった」
『うん』
しばらく他愛のない話をしていると、こんこんと控えめに扉を叩く音が聞こえた。
緑「恋歌先生・・・大丈夫で・・・って轟君!?」
焦「おう」
そろーっと扉を開けたのはぼろぼろのコスチュームを着た緑谷だった。
ここにいるはずのない焦凍がいる事に驚いている顔は泣いたのか目が真っ赤である。
緑「どうして轟君がここに?」
焦「一応恋歌の婚約者っつー立場だからな
連絡きた」
緑「な、なるほど」
緑谷も丸椅子を持ってきて、焦凍の横に座って焦凍がここにいる理由に納得した様子。
『・・・大丈夫?』
短い期間だったとはいえインターン先のヒーローが殉職したのだ。
目が赤いということは泣いたのだろうと、心配して声をかけるが悲しそうに”はい”と小さく返事をしただけだった。
焦「・・・俺は何が起こったのか全くわからねぇけど、聞けることなら聞くからな
友だちだろ」
緑「・・・うん
ありがとう」
また少し涙ぐんだ緑谷は、涙が落ちる前に急いで目元をごしごしと拭う。
緑「恋歌先生の怪我は大丈夫かなって見に来たんです
どうですか?」
無理やり話を変えて、ここに来た理由を話す。
『私も命にかかわるような怪我はないから大丈夫
ただ膝と肩が完治するのに1か月かかるからしばらくは大人しくしてないといけないかな』
あはは、と笑う恋歌の目元も若干赤いがそれに気づかないふりをして、緑谷は安心したように息をつく。
緑「あ、もしかして膝は僕のせいじゃ・・・
肩も・・・」
『違うよ』
緑「で、でも・・・!」
たしかに緑谷に蹴りあげてもらう時とくないを弾くときに痛めたのだが、それは緑谷が気にすることではない。
『即席だったけどうまくいったよね
また練習しよう!』
緑谷が気にしない様に明るく言えば、今度は少し笑って返事をくれた。
焦「・・・恋歌と合体技か
どんな技なんだ?」
緑「え、っと・・・僕が恋歌先生を蹴り飛ばして・・・
この間練習してたくない投げて恋歌先生が後ろから、僕が前から敵に攻撃するんだ」
焦「へぇ・・・
強そうだな」
緑「今回はそれが最後敵のボスに当てれて勝ったんだ!」
焦「そうか」
いつもの調子を取り戻した様子の緑谷に焦凍も安心したように笑う。
焦「俺も恋歌と合体技とかしてぇな」
『出来ると思うよ
ほら、ヒーロー殺しの時とか』
焦「あれは俺は後方支援だったろ」
『すっごく動きやすかったんだよ、あの時
それに私の戦闘スタイル的に私が前衛になっちゃうんじゃないかな?』
焦「・・・緑谷、なにかないか」
緑「ええ!?僕!?」
出来る限り恋歌は前衛から外したい焦凍は、いつもいろいろなヒーローを見て分析をしている緑谷に案を求める。
緑「たしかに恋歌先生の戦闘スタイル的に前衛にはなってしまうけど、轟君の個性は前衛にも後衛にもなれる
それに夏休みにした女子対男子の時に恋歌先生は後方支援もしていた
ということは轟君が前衛に出ても後方支援できるんじゃないかな
けど恋歌先生の戦闘能力を後衛に持ってくるのはもったいない気が・・・」
ぶつぶつと考え出した緑谷に恋歌と焦凍は顔を見合わせて微笑みあう。
出て行ったのは今朝だが、日常に帰ってきた。
無事に帰ってこれたと思わせてくれた。