23話
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電話をするために病室を出たはいいが、なかなか足が思うように動かせず壁に手をつきながらゆっくりと歩くしか方法はなかった。
膝の炎症はリカバリーガールの治癒で治してもらったものの、以前のように歩けるようになるには後何回かの治癒とリハビリが必要になる。
フ「お、なんしとん」
『ファット』
目的地までの道のりで包帯を体中に巻いたファットが、飲み物を片手に恋歌を見つけて近寄ってくる。
『ちょっと電話をしに行こうと思いまして』
フ「ほーん
足動かんのか?」
『実は・・・』
恋歌は歩きながらファットに今回の自分の怪我や、治癒の状況、リハビリが必要になる事を話した。
フ「なるほどなぁ
まぁ・・・ん!?
あー、そのリハビリ期間はゆっくりしたらいいんとちゃうか?」
目的地が近づいてきたところで、恋歌の後ろを見て一瞬目を見開いたが、すぐに苦笑いをして誤魔化した。
『そうですかね・・・
できればすぐにでも治したいんですけど・・・』
フ「重いモン持つなって言われてるんやったら、言われた通りにせな完治が遠くなるだけやで
それに恋歌には王子様おるやろ?
・・・なぁ?
王子様?」
『??』
ファットが恋歌の後ろに向かって声をかけたので、恋歌も顔だけ後ろを振り返る。
『な、んで・・・?』
焦「連絡もらって・・・授業終わって来た」
ここにいるはずのない焦凍が制服姿で少し息を切らしながら立っている。
フ「へー、ほんまもんの方が男前やんか」
焦凍に顔を近づけてじろじろと品定めをするかのように見たり触ったりしているファットガムだが、焦凍は無表情でされるがまま。
焦「誰だ?」
『関西のプロヒーローのファットガムさん
切島君のインターン先の・・・・』
焦「ああ・・・」
フ「どーも、ファットガムです
あんたはあれやろ、エンデヴァーの息子やろ」
焦「・・・まぁ」
その言われ方は好きではないが、事実なので焦凍はしぶしぶ頷いて返事をする。
首だけ振り向いているというのも変なので、壁に手をつきながら方向転換しようとすると、焦凍が駆け寄ってきて腰に手を回して支えてくれた。
焦「無理すんな
病室に帰ろう」
『・・・うん
ほ、んものだよね?』
焦「??
ああ
恋歌、どうした」
フ「え?」
確かめるように焦凍の頬に手を伸ばすと、優しく握り返してくるぬくもりに思わず涙が零れた。
焦「どこか痛いのか?」
『ご、ごめん・・・
違うの・・・』
焦「そうか
歩けるか?」
泣きながら小さくごめんと謝り続ける恋歌の腰を引きながら病室の方に向かって歩くように促す。
焦「恋歌になにか話があったなら後ででもいいですか?」
フ「お、おん・・・」
頭を下げて歩いていく2人を見送って、ファットガムはあきれたように小さくため息をついた。
フ「(俺の話は後ででええか・・・)」
焦「大丈夫か?」
『ごめん・・・
大丈夫』
恋歌の病室について、ベッドに上半身だけを起こして座らせ、焦凍は丸椅子を引っ張ってきてベッドの横に座る。
あれからすぐに泣き止んだ恋歌は、申し訳なさそうに何度も焦凍に謝るが気にしなくていいと言われる。
焦「なにかあったのか?」
『今回ね・・・戦闘中に腕がうまく動かなくなったの・・・
兄さんにそれを言って診てもらったら骨と神経が傷ついてるって言われた
だからこのまま無茶をすると二度と刀が振るえなくなるって』
焦「・・・ああ」
自分の掌を見つめながら話す恋歌に言いたいことはあったが、取り敢えず最後まで口出しはせずに相槌をうつ。
『わかってたんだよ、自分でも
骨が折れて動かしにくいって感じじゃなかったしね
それでも戦ったんだ
守りたい人たちがまだ戦ってたから
でもね、戦ってる時に思ったの
このまま腕が使えなくなったら私は・・・焦凍君に抱きしめてもらった時抱きしめ返す事もできない
焦凍君が悲しんでいるときに抱きしめてあげる事も、頭を撫でる事も、手を・・・繋ぐ事ですらできなくなる
それは・・・絶対に嫌だった』
ぽたぽたと再び涙を流しながら言葉を続ける恋歌の手を握って最後まで話せるように口をはさむことはしない。
『あの変更したコスチュームがなかったら・・・心臓もお腹も足も貫かれてた・・・
いつ死んだって・・・おかしくなかった・・・』
その場に一緒にいたナイトアイは殉職している。
恋歌もコスチュームの素材が変更されていなかったり、普通の素材であれば貫かれていた。
『会いたかった・・・
焦凍君に・・・
ちゃんと生きてるんだって・・・腕はちゃんともとに戻るんだって・・・』
焦「・・・痛かったら言えよ」
包帯だらけの恋歌の上半身を優しく抱きしめて、背中をさすってやる。
焦「おかえり
よく頑張ったな」
『た、だいま・・・!』
動かせる左腕を背中に回して、焦凍の制服を出せる力でぎゅっと握る。
『焦凍君・・・焦凍君・・・』
確かめるように何度も名前を呼ぶ恋歌の背中と頭を撫でてやり、泣きやむのを待ってやる。
膝の炎症はリカバリーガールの治癒で治してもらったものの、以前のように歩けるようになるには後何回かの治癒とリハビリが必要になる。
フ「お、なんしとん」
『ファット』
目的地までの道のりで包帯を体中に巻いたファットが、飲み物を片手に恋歌を見つけて近寄ってくる。
『ちょっと電話をしに行こうと思いまして』
フ「ほーん
足動かんのか?」
『実は・・・』
恋歌は歩きながらファットに今回の自分の怪我や、治癒の状況、リハビリが必要になる事を話した。
フ「なるほどなぁ
まぁ・・・ん!?
あー、そのリハビリ期間はゆっくりしたらいいんとちゃうか?」
目的地が近づいてきたところで、恋歌の後ろを見て一瞬目を見開いたが、すぐに苦笑いをして誤魔化した。
『そうですかね・・・
できればすぐにでも治したいんですけど・・・』
フ「重いモン持つなって言われてるんやったら、言われた通りにせな完治が遠くなるだけやで
それに恋歌には王子様おるやろ?
・・・なぁ?
王子様?」
『??』
ファットが恋歌の後ろに向かって声をかけたので、恋歌も顔だけ後ろを振り返る。
『な、んで・・・?』
焦「連絡もらって・・・授業終わって来た」
ここにいるはずのない焦凍が制服姿で少し息を切らしながら立っている。
フ「へー、ほんまもんの方が男前やんか」
焦凍に顔を近づけてじろじろと品定めをするかのように見たり触ったりしているファットガムだが、焦凍は無表情でされるがまま。
焦「誰だ?」
『関西のプロヒーローのファットガムさん
切島君のインターン先の・・・・』
焦「ああ・・・」
フ「どーも、ファットガムです
あんたはあれやろ、エンデヴァーの息子やろ」
焦「・・・まぁ」
その言われ方は好きではないが、事実なので焦凍はしぶしぶ頷いて返事をする。
首だけ振り向いているというのも変なので、壁に手をつきながら方向転換しようとすると、焦凍が駆け寄ってきて腰に手を回して支えてくれた。
焦「無理すんな
病室に帰ろう」
『・・・うん
ほ、んものだよね?』
焦「??
ああ
恋歌、どうした」
フ「え?」
確かめるように焦凍の頬に手を伸ばすと、優しく握り返してくるぬくもりに思わず涙が零れた。
焦「どこか痛いのか?」
『ご、ごめん・・・
違うの・・・』
焦「そうか
歩けるか?」
泣きながら小さくごめんと謝り続ける恋歌の腰を引きながら病室の方に向かって歩くように促す。
焦「恋歌になにか話があったなら後ででもいいですか?」
フ「お、おん・・・」
頭を下げて歩いていく2人を見送って、ファットガムはあきれたように小さくため息をついた。
フ「(俺の話は後ででええか・・・)」
焦「大丈夫か?」
『ごめん・・・
大丈夫』
恋歌の病室について、ベッドに上半身だけを起こして座らせ、焦凍は丸椅子を引っ張ってきてベッドの横に座る。
あれからすぐに泣き止んだ恋歌は、申し訳なさそうに何度も焦凍に謝るが気にしなくていいと言われる。
焦「なにかあったのか?」
『今回ね・・・戦闘中に腕がうまく動かなくなったの・・・
兄さんにそれを言って診てもらったら骨と神経が傷ついてるって言われた
だからこのまま無茶をすると二度と刀が振るえなくなるって』
焦「・・・ああ」
自分の掌を見つめながら話す恋歌に言いたいことはあったが、取り敢えず最後まで口出しはせずに相槌をうつ。
『わかってたんだよ、自分でも
骨が折れて動かしにくいって感じじゃなかったしね
それでも戦ったんだ
守りたい人たちがまだ戦ってたから
でもね、戦ってる時に思ったの
このまま腕が使えなくなったら私は・・・焦凍君に抱きしめてもらった時抱きしめ返す事もできない
焦凍君が悲しんでいるときに抱きしめてあげる事も、頭を撫でる事も、手を・・・繋ぐ事ですらできなくなる
それは・・・絶対に嫌だった』
ぽたぽたと再び涙を流しながら言葉を続ける恋歌の手を握って最後まで話せるように口をはさむことはしない。
『あの変更したコスチュームがなかったら・・・心臓もお腹も足も貫かれてた・・・
いつ死んだって・・・おかしくなかった・・・』
その場に一緒にいたナイトアイは殉職している。
恋歌もコスチュームの素材が変更されていなかったり、普通の素材であれば貫かれていた。
『会いたかった・・・
焦凍君に・・・
ちゃんと生きてるんだって・・・腕はちゃんともとに戻るんだって・・・』
焦「・・・痛かったら言えよ」
包帯だらけの恋歌の上半身を優しく抱きしめて、背中をさすってやる。
焦「おかえり
よく頑張ったな」
『た、だいま・・・!』
動かせる左腕を背中に回して、焦凍の制服を出せる力でぎゅっと握る。
『焦凍君・・・焦凍君・・・』
確かめるように何度も名前を呼ぶ恋歌の背中と頭を撫でてやり、泣きやむのを待ってやる。